いすゞ自動車とファミリーマート、伊藤忠商事、横浜市は、国内初となる車両の左右両側からバッテリーを同時交換できるステーション及び、これに対応したバッテリー交換式『エルフEV』を商品配送に使用する実証実験を11月より横浜市内で開始する。
日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするカーボンニュートラル(CN)を目指しており、物流業界においても脱炭素化が急務となっている。24時間営業のコンビニエンスストアへの配送は昼夜問わず連続して行われるため、車両の高い稼働率が求められている。また、配送用トラックの電動化には充電に伴うダウンタイムが大きな課題であり、短時間で満充電のバッテリーに交換できるバッテリー交換式車両の活用が有効な解決策とされている。
今回の実証実験では、バッテリーを両サイドから同時に交換可能な仕様に改造した「エルフEV」を3台配備し、横浜市内のファミリーマート約80店舗にてルート配送を行う。この実証用車両はバッテリー交換ステーションとの通信機能を搭載し、車両がステーションに入庫すると自動で満充電のバッテリーへと交換が始まり、従来のディーゼル車の燃料給油と同等の時間でバッテリー交換が完了する。このように、今回の実証実験では現場の業務効率化と車両運行の継続性向上について検証している。
物流におけるCNへの取り組みが求められる中、いすゞが提案する「EVision Cycle Concept(イービジョン・サイクル・コンセプト)以下ECC」は、車両からバッテリーを切り離して短時間で満充電のバッテリーに交換できるため、車両のダウンタイムの大幅な短縮による輸送稼働の効率化と、バッテリーEVによるCN化の両立が可能。また、いすゞはEV普及促進としての活用のみならず、地域の再生可能エネルギーの普及への貢献など、切り離された車両用バッテリーの利活用方法も今後検討している。
今後もいすゞは、広くパートナーや顧客との共創活動を推進することで、「『安心×斬新』で世界を進化させるイノベーションリーダー」のVISION(将来像)のもとに、あらゆる社会課題の解決に挑戦していく。