「フォーミュラE」2038年から10年間開催契約を延長、最高速や加速性能向上へ

日産フォーミュラE(東京E-Prix第9戦) (c) Formula E
  • 日産フォーミュラE(東京E-Prix第9戦) (c) Formula E
  • FIAとフォーミュラEが契約を延長
  • ローラ・ヤマハABT(東京E-Prix第9戦) (c) Formula E

国際自動車連盟(FIA)とフォーミュラE・ホールディングスは7月30日、ABB FIAフォーミュラE世界選手権の複数年契約を更新する重要な合意を発表した。この契約延長により、現在の契約終了後となる2038年から10年間、ABB FIAフォーミュラE世界選手権の開催権が延長される。

フォーミュラEは設立以来、前年比20%の成長を継続。ファンエンゲージメントと参入メーカー数も拡大中だ。現行の計画では、フォーミュラEは引き続き段階的かつ野心的なマシン開発戦略を展開し、最高速度の向上、加速性能の強化、空力性能の進化、タイヤ性能の向上などを実現していく。これにより、世界のモータースポーツの中でも最も接戦かつ競争力のあるレースを生み出し続けることを目指す。

2025年初頭に登場した「GEN3 Evo」マシンは、パフォーマンス面で飛躍的な進化を遂げた。0-60mph加速がわずか1.82秒(約0-100km/h加速が1.86秒)となり現行F1マシンより30%速い。最高速度は時速200マイル(約320km/h)。レース中に必要なエネルギーの約50%を、レース中の回生によって補うことが可能だ。

ローラ・ヤマハABT(東京E-Prix第9戦) (c) Formula Eローラ・ヤマハABT(東京E-Prix第9戦) (c) Formula E

また、持続可能性を重視した設計として、タイヤには35%のリサイクル素材が使用されており、ボディワーク(車体外装部)には再生カーボンファイバーや天然繊維が取り入れられている。

ポルシェ、ジャガー、日産、マセラティ、ステランティス、マヒンドラ、ローラ・ヤマハといった世界を代表する自動車メーカーが参戦するフォーミュラEは、現在、FIA公認の電動シングルシーター世界選手権として唯一のシリーズで、激しいバトル、最先端技術、持続可能性を重視したリーダーシップという要素を融合させた独自の選手権だ。

2014年に北京で初開催されたフォーミュラEは、今や世界的なモータースポーツの成功事例となった。年間20%の成長を維持しながら、現在では世界中に約4億人のファンを抱え、テレビ視聴者数は約5億人に達している。世界トップレベルの11チーム・22名のエリートドライバーが、モナコ、東京、ロンドン、上海、マイアミなど、世界で最もアイコニックな都市を舞台に、社会的意義を伴ったスリリングなレースを繰り広げている。

2030年までに、電気自動車が世界の新車販売の40%以上を占めると予測されており、リチウムイオン電池の世界生産量も2030年までに3倍に増加すると見込まれている。こうした状況の中で、フォーミュラEおよびこの分野の技術進化は、かつてないほど重要となっている。

FIAとフォーミュラEが契約を延長FIAとフォーミュラEが契約を延長
《森脇稔》

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