6月17日から21日までイタリアで開催される「第43回 ミッレミリア」に、イタリアモータースポーツの「伝説的な3台」が参戦する。
ステランティス・ヘリテージの支援により参加するのは、アレーゼのアルファロメオ博物館から出展される1956年アルファロメオ『1900スーパースプリント』、トリノのセントロ・ストリコ・フィアットから参加する1955年フィアット『600』、そして個人コレクターが所有する1953年マセラティ『A6 GCS/53』だ。
1956年アルファロメオ1900スーパースプリントは、1960年代のジェントルマンドライバーに愛された優雅なクーペで、2リッター4気筒ツインカムエンジンを搭載し115hpを発生する。トゥーリング社が手がけたボディワークで、1955年から1958年まで858台が製造された。
今年で70周年を迎えるフィアット600は、戦後イタリアの大衆モビリティを支えた象徴的モデルだ。ダンテ・ジャコーザが設計したこの車は、リアエンジン・リアドライブ方式を採用し、633ccエンジンで21.5hpを発生。総生産台数は490万台を超えた。
マセラティA6 GCS/53は、1953年から1957年まで5回連続でミッレミリアに参戦した記録を持つ。ルイジ・ムッソなど著名ドライバーが操縦し、スポーツ2リッタークラスで活躍した。
これらの歴史的名車に加え、最新モデルがサポートカーとして同行する。アルファロメオからは『ジュリア・クアドリフォリオ』、『トナーレ』、新型『33ストラダーレ』が参加。フィアットは『600ハイブリッド』、アバルトは280hpの『600e』を投入する。マセラティは『グランカブリオ』、『グラントゥーリズモ・トロフェオ』、『グレカーレ・トロフェオ』が特別塗装をまとい参戦する。
社内コンテストで選ばれたイタリア、フランス、ドイツ、ポーランドの4名のステランティス従業員が、フィアット『600ハイブリッド』とアルファロメオ『ジュニアQ4ハイブリッド』でサポートカーを運転し、5日間の全行程を取材・発信する。
今回のルートは、初期のミッレミリアにインスパイアされた「8の字」コースを採用。ブレシアを出発し、ボローニャ、ローマを経由して再びブレシアに戻る1900kmの行程で、29カ国から400台以上のクラシックカーが参加する。