ドゥカティは同社初となるモトクロス専用車『Desmo450 MX』の量産を開始したと発表した。ボルゴ・パニガーレ工場で生産が始まったこの新型車は、ドゥカティの歴史において画期的な一歩となるという。
発表会には、開発に協力したトニー・カイロリ氏や、この車両でデビュー戦勝利と国内タイトルを獲得したアレッサンドロ・ルピーノ選手が出席した。また、世界選手権フランスGPで2度目の表彰台を獲得したジェレミー・シーバー選手の活躍も話題となっている。
Desmo450 MXは449.6ccの単気筒エンジンにドゥカティ独自のデスモドロミック・バルブシステムを搭載している。このシステムにより、低中回転域での豊富なトルクと高回転域での伸びを両立させ、オフロード専用車としては異例の性能を実現した。

車体には軽量アルミニウムフレームを採用し、溶接箇所を最小限に抑えることで強度と軽量性を両立している。また、世界初となるモトクロス車用トラクションコントロールシステムを搭載し、後輪のスリップを正確に検知しながら、必要な場面では介入を控えることで性能を最大化する。
ドゥカティ・パフォーマンスカタログには、世界選手権MXGP参戦車両に近づけるための豊富なオプションパーツが用意されている。ファクトリー仕様のホイールハブやステアリングプレート、アクラポビッチ製チタンマフラー、ブレンボ・レーシング製ブレーキキャリパーなどが含まれる。

さらに、ドゥルーディ・パフォーマンスとの協力により、アルパインスターズ製ウェア一式、アライ製ヘルメット、各種プロテクターなどの専用アパレルコレクションも展開される。
Desmo450 MXは6月から欧州の一部ディーラーで販売開始予定で、7月には北米、その後世界各地に展開される。この新型車は、ドゥカティが新たな市場への参入と顧客層拡大を目指す戦略的モデルとして位置づけられている。