ブガッティは、伝説のレーシングカー「タイプ35」を3/4スケールで再現した電動ミニカー「ブガッティ・ベビーII」のワンオフモデルを発表した。この特別な1台は、ブガッティの115年にわたる歴史と芸術性を融合させた唯一無二の作品となっている。
ヘッドリー・スタジオ(旧ザ・リトル・カー・カンパニー)が製作を担当し、ブガッティのカスタマイズ部門マネージャー、ヤシャ・シュトラウブ氏が監修を務めた。シュトラウブ氏は長年にわたりブガッティのオーナーたちに信頼されるアドバイザーとして、個性的なデザインの実現に貢献してきた。

特別仕様の「ブガッティ・ベビーII」は、創業者エットーレ・ブガッティが好んだという「ノクターン」ブラックと「ジャッロ・ミダス」イエローのツートンカラーで仕上げられている。この配色は、かつて「タイプ57グランドレイドユジーヌ」などの伝説的モデルにも採用されていた。
内装には「ブリッジ・オブ・ウェア」社製の黒革が使用され、エレガントな雰囲気を醸し出している。さらに、エットーレ・ブガッティの馬への情熱を反映し、車体には馬や勝利したレーシングカー、シャトー・サン・ジャンなどのスケッチが手描きで施されている。

これらのスケッチは、シュトラウブ氏自身が複雑な曲面や不均一な表面に配慮しながら、精密に描き上げたものだ。最後にクリアコートを施すことで、芸術作品としての価値を永久に保つ工夫がなされている。
「ブガッティ・ベビーII」特別仕様は、ブガッティの豊かな歴史と創業者の精神を体現した、まさに走る芸術品。昨年100周年を迎えた「タイプ35」への敬意を表すとともに、ブガッティの伝統と革新を象徴する作品となっている。電動化という現代的な要素を取り入れながら、クラシックカーの魅力を新たな形で表現している。