来たる8月23日、オンラインセミナー「SDVとAIが変えるクルマとクルマ作り~事例にみる欧州vs日本のクルマの今と未来~」が開催される。セミナーに登壇するのは、PTCジャパン株式会社 ソリューションコンサルティング シニアディレクター 専務執行役員の山田篤伸氏。
米国のボストンに本社を置くPTCは、CADやPLM(製品ライフサイクル管理)などを通して製造業のDXを支援する企業。自動車業界においては、ソフトウェア開発のプロジェクトを包括的に管理するアプリケーションライフサイクル管理(ALM)「Codebeamer」がフォルクスワーゲンをはじめとする欧州の自動車メーカーに採用され、注目を集めている。

今回のセミナーは以下のテーマで進められる。
1.市場要求の多様化とバリエーション
2.バリエーションの揃え方、日本風 vs 欧州風
3.SDV とはなにか。ユーザー視点とメーカー視点、SDV がもたらすもの
4.設計開発の軽量化とバリエーション、デジタルスレッド、PMT の整理統合
5.必要なのはメカ・ソフト・エレキの一体開発と機能配分
6.これからのキモを握るプロダクトライン開発
7.AI に寄せられる期待と使いこなすのに必要な素養
8.欧州メーカーの事例
9.今後への期待
セミナーの見どころを山田氏に聞いた。
ハードを減らしつつソフトウェアでバリエーション展開
自動車市場においては消費者の要求が以前より多様化し、メーカーは要求に対していかに低コストで対応できるのか迫られているとPTCジャパン ソリューションコンサルティング シニアディレクター 専務執行役員の山田篤伸氏は指摘する。
「燃費が良い車、静かな車、環境に優しい車など、消費者が求める要素は昔に比べて大幅に増えています。開発コストや期間の増加、さらには生産やアフターサービスのコストの負担を軽減するため、なるべくハードウェアの数を減らしたい。しかし市場の要求に応えるためにはバリエーションを増やす必要がある、というジレンマに直面しています」

「それに対して、ハードウェアではなくソフトウェアで個別のニーズに対応するという傾向が強まっています。具体的には、出力の調整やステアリング操作時の車体の挙動をソフトウェアで制御したり、ドイツのメーカーにおいては、同じエンジンでも出力やトルクをソフトウェアで制御してグレード分けを行っている例もあります」
このようなソフトウェアによる価値の差別化は、欧州メーカーの取り組みのほうが先行しているという。