日本車はなぜEVに出遅れたのか? 苦戦の理由と挽回のカギは…[新聞ウォッチ]

2010年3月、日産リーフを発表、紹介する志賀COO(当時)
  • 2010年3月、日産リーフを発表、紹介する志賀COO(当時)
  • 2009年8月、横浜市の日産グローバル本社のオープニングで披露されたリーフ

「なぜEVに出遅れたのか」---。あまりにもストレートすぎるタイトルだが、きょうの日経がオピニオン面の「核心」のテーマに「日本車の『不都合な真実』」を取り上げて、日本車苦戦の理由と挽回のカギを探った興味深いレポートを載せている。

◆EV化の読み違い

それによると、まず、今年春に3年半ぶりに中国を訪れた日産自動車の内田誠社長が「ローカルブランドの想定を超える進化に危機感を覚えた」との書き出しで、変貌におののくのは内田氏だけではなく、トヨタ自動車の中嶋裕樹副社長もホンダの三部敏宏社長も「EV化の波が予想より早かった」などと、読み違いを認めると指摘。

さらに、日産がEVの『リーフ』を発売したのは2010年だったが、うまくいけば世界をリードできた日産のEV戦略のつまずきにも言及。その答えを、カルロスゴーン政権下で最高執行責任者を務めた志賀俊之氏が「リチウムイオン電池のコストが下がり切らず、EVを売れば売るほど赤字という状態が続いたから」と説明。その結果、EV路線は修正を余儀なくされ、「イーパワー」と呼ぶ独自のハイブリッド技術にエコカー戦略の軸足を置くことになったとも伝えている。

◆売れば売るほど赤字だったが

ただ、電池コストの高さは世界共通の条件。日産など日本車が二の足を踏むなかで、米テスラや比亜迪(BYD)はじめ中国メーカーがEV市場で成功し、利益を出せているのはなぜかについても触れている。

そして、米ビッグスリーに代わって「自動車産業の覇者」の座に君臨した日本車が、再び王朝の交代劇が幕を開けるのだろうかかと問い掛けおり、最後に「それは不可能ではないが、たやすく達成できるゴールでもない。今から5年が勝負だろう」と、いかにも日経らしい論調で締め括っている点にも興味をそそられる。

2023年6月26日付

●内閣支持急落41%マイナ対応「不適切」67%本社世論調査(読売・1面)

●社説、航空機産業 - 成長の戦略を再構築できるか(読売・3面)

●パワー半導体国内勢本腰EVの電力制御、海外勢との競争焦点(読売・4面)

●電動スケーター手軽に、来月から「自転車並み」ルール(読売・24面)

●バイク大国迫る2030年問題、ベトナム市民の足都市部の通行禁止・有料化、日本ブランド、シェア98%、先行きは(朝日・4面)

●新宿駅「山手線内に刃物男」と通報(東京・22面)

●三菱UFJ、車ローン買収、インドネシア,買出残高が首位に(日経・1面)

●EV無線給電の米新興、日本に参入、駐車で充電(日経・7面)

●核心 - 日本車の「不都合な真実」なぜEVに出遅れたのか(日経・8面)

《福田俊之》

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