ドアスピーカーの限界を超える! 「サブウーファー」の必要性と魅力…キーワードから読み解くカーオーディオ

「サブウーファー」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:カーオーディオクラブ<大阪府>)。
  • 「サブウーファー」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:カーオーディオクラブ<大阪府>)。
  • 「サブウーファー」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:カーオーディオクラブ<大阪府>)。
  • 「サブウーファー」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:カーオーディオクラブ<大阪府>)。
  • 「サブウーファー」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:イースト<大阪府>)。
  • 「サブウーファー」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:イースト<大阪府>)。
  • 「サブウーファー」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:イースト<大阪府>)。
  • 「パワードサブウーファー」の一例(DLS・ACW68)。

音響機器に関連する専門用語の意味を1つ1つ説明しながら、カーオーディオの面白さや奥深さを紐解こうとしている当シリーズ。今回からは新章に突入し、「サブウーファー」にスポットを当てる。まずはこの言葉そのものの意味と必要性について説明していく。

◆「サブウーファー」の「サブ」には主に、「下」という意味がある!

早速本題に入ろう。「サブウーファー」とは、低音の再生を担当するスピーカーユニットだ。なお「サブウーファー」という名称は、2つのワードが組み合わされてできている。まずはそれぞれの意味から説明していこう。

1つ目の「サブ」にはそもそも、以下のような意味がある。「下、下位、副、補助」、これらだ。で、「サブウーファー」の「サブ」は実は、「下」という意味が強めだ。つまりこの「サブ」は、「サブマリン(潜水艦)」や「サブウェイ(地下鉄)」の「サブ」と同義、というわけだ。

ちなみにスピーカーは本来、1つのユニットのみで高音から低音までを鳴らしきれればそれがベストだ。しかし実際はそうもいかない。高音は震動板の口径が小さい方が再生しやすく、低音は震動板の口径が大きい方が再生しやすい。

なので音楽は、「マルチウェイスピーカー」にて再生されることが多い。例えば、高音再生用のスピーカーである「ツイーター」と中低音再生用のスピーカーである「ミッドウーファー」、この2つが用いられることが多い。そしてこれは「2ウェイスピーカー」と呼ばれ、そこに中音再生用のスピーカーである「スコーカー(ミッドレンジ)」が足される場合にはそれは、「3ウェイスピーカー」と呼ばれることとなる。

「サブウーファー」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:イースト<大阪府>)。「サブウーファー」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:イースト<大阪府>)。

◆「サブウーファー」は、「ウーファー」の再生帯域よりもさらに「下」の帯域を担当!

かくして「サブウーファー」は通常、「ミッドウーファー」が担当する帯域よりもさらに低い帯域を鳴らすために用いられる。ちなみにいうと、「ツイーター」が担当する帯域よりも上の帯域の再生を担うスピーカーのことは、「スーパーツイーター」と呼ばれている。というわけでこの場合の「スーパー」というワードには「特に優れている」という意味はない。「上」という意味を持つにすぎない。

で、「ウーファー」とは、低音を再生するスピーカーの呼称だ。そして「ウーファー」も含めて各スピーカーの名称の由来は以下のとおりだ。「ツイーター」は小鳥のさえずりが由来で、「スコーカー」はネズミやリスといった小動物の鳴き声が由来だ。そして「ウーファー」はオオカミや大型犬、さらにはトラやライオンのうなり声が由来だ。

なおホームオーディオでは、「サブウーウーファー」はカーオーディオほどは頻繁に用いられない。対してカーオーディオでは、愛好家の多くがこれを使っている。それはなぜなのかというと…。

「パワードサブウーファー」の一例(DLS・ACW68)。「パワードサブウーファー」の一例(DLS・ACW68)。

◆ドアスピーカーには低音再生力に限界がある。ゆえに「サブウーファー」が必要!

カーオーディオで「サブウーファー」が使われることが多い理由はズバリ、「ドアに装着できるスピーカーは17cmクラスが最大サイズだから」だ。

ホームオーディオの「2ウェイ」または「3ウェイ」スピーカーは、「ウーファー」をある程度大きく作れる。もちろんコンパクトに仕上げられているモデルもあるが、大きさに関して特に制約はない。しかしカーオーディオでは、ドアに取り付けられる「ミッドウーファー」の大きさに制約がある。取り付け場所であるドア自体のスペースに限りがあるからだ。

で、17cmクラスのスピーカーが最大サイズとなるのだが、その大きさでは超低音の再生をスムーズに行うのが物理的に難しい。ゆえにカーオーディオでは、「サブウーファー」が使われることとなるのだ。

なお「サブ」というワードには「補助」という意味もあり、「サブウーファー」の「サブ」にもその意味が含まれている。「ミッドウーファー」の低音再生を「補助」する役目も負っている。そのこともまた事実だが、主たる意味は「ドアスピーカーが再生する音域よりも“下の”帯域を担当するスピーカー」だ。「サブウーファー」はあくまでも、「超低音再生に特化したスピーカー」なのである。

今回はここまでとさせていただく。次回以降も「サブウーファー」に関連した用語の意味を説明していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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