ワイルドな風貌なミドルサイズSUV…RAV4 vs エクストレイル、ライバル徹底比較

RAV4(左)とエクストレイル
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  • トヨタRAV4
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トヨタ『RAV4』日産『エクストレイル』は、両車ともにミドルサイズのSUVだ。しかもフロントマスクを野性的に仕上げ、SUVの中でもアクティブな雰囲気を感じさせる。

RAV4のパワーユニットは、直列4気筒の2L、2.5L、2.5Lプラグインハイブリッドになる。エクストレイルは、ハイブリッドのe-POWERのみだ。発電を行う直列3気筒1.5Lエンジンには、圧縮比を変化させる機能とターボを装着している。

◆外観デザイン&ボディサイズ比較

日産 エクストレイル日産 エクストレイル

両車ともにボディサイズは似ている。全長は4600~4700mmに収まり、全幅も1800mmを少し超える。
RAV4のフロントマスクは、今のトヨタ車らしいグリルの大きなデザインで、エクストレイルは日産車に共通するV字型グリルを採用した。

◆インテリア&居住性比較

トヨタRAV4トヨタRAV4

RAV4のインパネは直線的なデザインで、機能的に造り込んだ。エクストレイルのインパネも似た雰囲気だが、助手席の前側付近に丸みを付けるなど、新鮮な印象を受ける。エクストレイルは囲まれ感が少し強い。

車内の広さは同程度だ。両車ともに、身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ半に達する。この広さがあれば、大人4名が乗車して長距離を快適に移動できる。

またエクストレイルX・e-4ORCEには、荷室にコンパクトな3列目シートを装着した7人乗りも用意され、片道20分程度までの短距離なら多人数乗車も可能だ。

◆荷室などの使い勝手比較

トヨタRAV4トヨタRAV4

両車ともにリヤゲートの角度を立てて、背の高い荷物も積みやすい。後席を使っている時の荷室長は、両車ともに1m前後となる。荷室容量は、RAV4が580L、エクストレイルは575Lだから、ほぼ同程度だ。

◆運転のしやすさ比較

日産 エクストレイル日産 エクストレイル

両車ともに水平基調のボディスタイルだから、四隅の位置が分かりやすい。最小回転半径は、RAV4は5.5~5.7mで、エクストレイルは5.4mだから小回りの利きが少し優れている。

◆走行性能&乗り心地比較

日産エクストレイル:VCターボエンジン日産エクストレイル:VCターボエンジン

RAV4の走行性能は、パワーユニットによって大きく異なる。直列4気筒2Lノーマルエンジンは、車両重量が1600kg前後のボディに組み合わせると、パワフルとはいえない。

しかし運転感覚は軽快だ。駆動方式は4WDが中心で、2LノーマルエンジンのアドベンチャーとG・Zパッケージには、後輪左右の駆動力配分を積極的に変化させるダイナミックトルクベクタリングAWDが搭載される。悪路や峠道では、適度に機敏に良く曲がり、動力性能は控え目でも走行安定性は高い。運転も楽しい。乗り心地にも粗さはない。

ハイブリッドはノイズが小さく加速は滑らかだ。そしてプラグインハイブリッドは、後輪をモーターで駆動する4WDのみになり、前輪側のモーターは、ハイブリッドの4WDよりも動力性能が高い。プラグインハイブリッドは、充電が可能なだけでなく、動力性能も高めている。

エクストレイルは、駆動用モーターが力強い。前後にそれぞれ別個のモーターを搭載したe-4ORCEは、動力性能が高く、しかも良く曲がる。峠道などでは運転の楽しさを満喫できる。

◆燃費性能比較

トヨタRAV4のハイブリッドシステムトヨタRAV4のハイブリッドシステム

WLTCモード燃費を主力の4WDで比較すると、RAV4の2Lノーマルエンジンは15.2km/L、ハイブリッドは20.3~20.6km/Lだ。プラグインハイブリッドは、1回の充電で95kmを走行できる。エクストレイルのe-4ORCEは18.3~18.4km/Lだ。ハイブリッドの燃費効率は、RAV4が少し優れている。

◆おすすめのユーザー

RAV4の個性を明確に反映させたグレードは、ダイナミックトルクベクタリングAWDを装着する2Lノーマルエンジンを搭載するアドベンチャーだ。悪路向けSUVに近い野性的な内外装と、軽快な運転感覚を求めるユーザーに適する。

エクストレイルはe-POWERの電動感覚を表現した走りが特徴で、パワフルかつ滑らかな走りを好むユーザーに適する。上質感が特徴となる。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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