何本スポークが高性能!? ホイールデザインと性能の関係~カスタムHOW TO~

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スポーツホイールと言えば10本や6本スポークモデルが多いのはやはり性能的な裏付けがあるから!?ではメッシュデザインは!? ホイールデザインとホイールの性能には実は隠れた関係性がある。

◆スポーツホイールに多い6~10本のスポークデザイン

ホイールのデザインには様々な種類がある。複数スポークを持つもの、鉄チンホイールのようなスポークというよりも穴が開けられているもの。細かいスポークがメッシュ状になっているものなど多岐にわたる。では、どのデザインがもっとも高性能なのかというと、簡単にどれとは言い切れない。スポーツホイールで軽さや剛性、強度などに性能を絞ると、各社のデザインは似てくる。各社ともスポーツホイールは、スポークを6~10本持つデザインが多い。一般的に応力分散に優れるのは10本スポークデザインと言われるが、10本ではないデザインのホイールも数多く存在する。

RAYSの名作TE37は軽量高剛性なスポーツホイールの代名詞。登場以来進化をし続けていて、モデルチェンジを繰り返している。最先端のデザインと性能を持つモデルに進化しているが、一貫して6本スポークデザインを貫いている。レースやサーキットでの極限の性能を追求した結果、6本スポークになったのには実は持ちやすさもあったと言われる。

レース中の素早いタイヤ交換が求められる際に、細かいスポークのホイールは持ちにくい。6本スポークなら、常に左右水平にスポークが来て両手で持ちやすい。10本スポークなどでも水平にスポークが来るが、細かいスポークは隙間に手が入りにくい。そういったことを考慮した結果、6本デザインが最適となったというのだ。そういった面からデザインが求められることもあるので、何本スポークだから高性能とか、劣るとかを判断するべきではないのだ。

◆ホイールにとって重要なのは内側リムの剛性

ホイールの性能で重要になるのはスポークの本数ではなく、内側リムの強さだ。最近のクルマはアライメント変化を抑えるためにサスペンションアームが長くなり、ホイールのインセットが増える傾向にある。少しでもアームを長くしてナックルごと車体外側に置いて、その分ホイールをハイインセットにしている。ホイールインセットが例えば0から50にすれば、その分だけアームを長くすることができ、ストローク時のアライメント変化を抑えられ、安定した走行性能を手に入れられるというわけだ。

そこで影響を受けているのがホイール。ホイールの断面はインセット0なら「エ」の形になっている。鉄道のレールと同じようにH断面とも言える形状で、中心に支えがあることで左右をバランスよく支えることができる。しかし、ハイインセットになると断面は「コ」の形に近くなってくる。ホイールを支えるハブ面がボディ外側に寄ってしまい、ホイール内側のリムまでの距離がとても長くなってしまう。

しかも、スポーツカーとなるとホイールアライメントでネガティブキャンバー角が与えられるので、内側リムを潰す方向に路面と接地することになるのだ。つまりインセットが大きくなるほど、内側リムが潰れやすくなる。これまでよりもより剛性が要求されるようになっているのだ。さらにクルマは衝突安全性やハイブリッド機構の搭載などにより年々重くなり続けている。それでいてターボやモーターの付加によってトルクは増えている。タイヤは劇的進化を遂げてグリップ力が上がり、これもまたホイールへの負荷となっている。そういった複合的な要因から、ホイールに対する要求は厳しくなってきているのだ。

そこで各社では最新モデルでは剛性や強度を高める方向にシフトしてきている。これまで軽さが注目されてきたホイールだが、モデルチェンジを機にこれまでよりもやや重くなることも増えた。その分、とくにリムが強くされ、厳しくなる要求に応えられるようになっているのだ。

クルマはどんどん高性能化と重量化が進んでいる。タイヤも進化して、ちょっと昔の軽いホイールでは、実は剛性が足りていないということも起きうる。いきなりホイールが割れたり、クラックが入らなくても、高剛性なホイールに履き替えたらフラフラしなくなったとか、サーキットでのオーバーステアが収まったということもある。

ホイールを履き替える際は、軽さだけではなく強さにも注目して選ぶようにしてもらいたい。

《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

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