英国のBAC社は、シングルシーターの軽量スポーツカー『Mono』(モノ)の150台目を顧客に引き渡した。150台目は、サーキット性能を極めた「Mono R」だった。
BAC社は、ブリッグス・オートモーティブ・カンパニーの略だ。イングランド北西部チェシャー州在住のブリッグス兄弟が設立し、スポーツカーを少量生産している。その名前を有名にしたのが、2011年春に発表された初代Monoだ。フォーミュラマシンを思わせる1名乗りのボディはカーボンファイバー製で、車両重量は580kg。サスペンションはザックス製で、サーキットの特性に合わせた細かい設定変更ができる。一見するとサーキット専用マシンだが、英国ではナンバープレートが取得でき、公道走行も可能だ。
このMonoの2世代目モデルの頂点に位置するのが、Mono R。Mono Rは、世界限定30台が生産される予定で、今回、Monoシリーズの150台目として納車されたのは、Mono Rの29番目の車両だった。Mono Rは、すべてのボディパネルがゼロから開発され、44の特注カーボンパーツが新設計された。ノーズの中央に取り付けられたLEDヘッドライトは、正面の面積を減らしている。全高は20mmダウンした。
マウンチューン製の2.5リットル直列4気筒ガソリンエンジンは、最大出力が38hp引き上げられ、343hpを獲得する。排気量1リットルあたりのパワーは138hp。公道走行モデルの自然吸気エンジンとしては、世界最高という。エンジンの許容回転数も7800rpmから8800rpmに上げられた。Mono Rは、標準のMonoよりも25kg軽量化され、車両重量は555kgに抑えられた。0~96km/h加速は0.3秒短縮され、2.5秒で駆け抜ける。最高速は273km/hに到達する。