温暖化対策あの手この手…日産、CO2ゼロ鋼材を神戸製鋼から調達、スバルはPHV開発断念[新聞ウォッチ]

日産セレナ新型
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  • スバルのEV、ソルテラはトヨタとの共同開発

強い冬型の気圧配置で記録的な大雪に見舞われている北陸地方では、新潟県柏崎市の国道8号線で約20kmに及び車の立往生や渋滞が発生。この立ち往生を受け、北陸地方整備局では現地の活動班を派遣して支援物資の配布をするとともに滞留車両の確認を進めていくとの報道もある。

温室効果ガス排出の実質ゼロへ

今週末はクリスマスだが、ドカ雪の地方では、星が光る「きよしこの夜」のような、おとぎ話の世界ではすまないようだ。

この記録的な大雪も地球温暖化による異常気象によるもので、温暖化は急速度で進行している。そう実感する一方で、温室効果ガス排出の実質ゼロを達成するために企業などの前向きな取り組みも見逃せない。

こうした中、日産自動車が、神戸製鋼所が生産する二酸化炭素(CO2)の排出量が実質ゼロの低炭素鋼材とアルミニウム合金板材を、主力の新型ミニバン『セレナ』などで採用するという。両社が発表したもので、部品を製造する工程におけるCO2排出量を削減するのが狙いで、国内の自動車メーカーでは量産車に採用するのは日産が初めてのようだ。

◆選択と集中を加速

また、トヨタ自動車と資本提携するSUBARU(スバル)は、プラグインハイブリッド車(PHV)の開発を中止すると、きょうの日経が1面の準トップ記事として報じている。

それによると、大型の電池とエンジンの両方を搭載するPHVは価格が高く市場が伸び悩み、電動車の品ぞろえを電気自動車(EV)とハイブリッド車(HV)に絞るという。EVシフトに伴う巨額の開発費は車メーカーの重荷になっており、「電動車の車種を選別する動きが中堅から広がってきた」とも伝えている。

さらに、記事では「日本勢ではトヨタが電動車の車種を幅広くそろえる方針で、EVのほか、HVや燃料電池車(FCV)、PHVの車両開発を並行して進めている。11月に発表した新型のプリウスでもPHVの車種を用意。ホンダも中国や米国などでPHVを販売している」とも。

資本力が脆弱な自動車メーカーでは、タイの25時間耐久レースにも参戦するほどの水素車にも力を入れるトヨタのような「EVも選択肢のひとつ」という潤沢な台所事情ではなく、生き残るためには「選択と集中」を加速せざるを得ない。

2022年12月20日付

CO2排出ゼロ鋼材で量産車、日産、神戸製鋼所から供給(読売・11面)

●岸田内閣支持急落31%、防衛増税「反対」66%、本社世論調査(朝日・1面)

●マスク氏突然「CEO辞任」投票、ツイッター上賛成が上回る(朝日・3面)

●駐車違反暗号資産差し押さえ、埼玉県警投信なども対象に(朝日・30面)

●来年度予算案総額114兆円、防衛費1.25倍6.8兆円、政府調整(毎日・1面)

●大雪車立ち往生、新潟・柏崎、国道22キロ通行止め、水・食料配布(毎日・25面)

●スバル、PHV開発中止、電動車、EVにシフト、脱炭素で選別(日経・1面)

CO2ゼロ鋼材、量産車に、日産が神戸製鋼採用、大手初(日経・15面)

●商用EV電池再利用、伊藤忠と独ZF、再エネ用、新会社設立(日経・15面)

●独VW、EVソフト、自前主義脱却、現場混乱で投入遅れ、IT大手と協業探る(日経・15面)

●川崎汽船「今期追加還元も」LNG輸送船6割増へ(日経・16面)

《福田俊之》

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