BMWが2040年のEV提案、100%リサイクル可能…グッドウッド2022出展へ

サーキュラーエコノミーの4原則

キドニーグリルをデジタルサーフェス化

車体は再生アルミ製で塗装はなし

接着剤を使わない新しい接合技術

BMW iビジョン・サーキュラー
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BMWは、6月23日(日本時間同日17時)に英国で開幕する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」に、コンセプトカー『iビジョン・サーキュラー』(BMW i Vision Circular)を出展する。

◆サーキュラーエコノミーの4原則

BMW iビジョン・サーキュラーは、100%再生可能な素材で作られており、100%リサイクル可能としているのが特長だ。サーキュラーエコノミーの4つの原則、「RE:THINK」、「RE:DUCE」、「RE:USE」、「RE:CYCLE」に従ってデザインされたiビジョン・サーキュラーは、2040年のコンパクトカーの姿を提示しているという。

iビジョン・サーキュラーはEV。全長はおよそ4000mmでありながら、4名の乗員に充分な室内空間を持つという。サーキュラーエコノミーの原則に基づいて設計されており、プレミアムモビリティにおいて、世界で最も持続可能な自動車メーカーになるというBMWグループの目標を象徴する1台になるという。

BMWグループはカーボンニュートラルを実現するにあたり、車両のライフサイクル全体を通じて、CO2排出量を削減することを目指している。製品ラインナップの電動化と生産段階での再生可能エネルギーの利用に加えて、サーキュラーエコノミーの原則とリサイクル素材の使用に焦点を当てている。BMW iビジョン・サーキュラーは、100%再生可能な素材で作られており、100%リサイクル可能としている。

◆キドニーグリルをデジタルサーフェス化

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フロントマスクは、サーキュラーデザインのパワーを明確に伝えることを狙った。「RE:THINK」と「RE:USE」の原則に沿って、使用する部品の点数を大幅に削減した。グリル内のバーにクロームを使う代わりに、キドニーグリルはデジタルサーフェス化した。

キドニーグリルはフロントマスクの横幅全体に広がり、ヘッドライトとグリルを一体化した。キドニーグリルの表面はグラフィックインターフェイスとなっている。将来的には、デジタルデザインにより、素材やツールの量を減らすことができると見込む。

グレードを表すために使用されているトリムやエンブレムは装備されない。フロントマスクのBMWブランドのエンブレムは刻印されており、グレードエンブレムは部品の使用を減らすために、レーザーエッチングされている。フロントガラスの下の部分は、リサイクルされたアルミから作られている。さらに下のバンパー部分は、再生プラスチック製で、表面には大理石パターンが施された。

◆車体は再生アルミ製で塗装はなし

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車体にはリサイクルされたアルミを使い、塗料を使用せず、ライトゴールドのアルマイト仕上げを施した。将来、車体を塗装することなく、革新的なプロセスを使用してボディを仕上げることが、どのように可能になるかを示しているという。

「ビビッドブルーラバー」タイヤは、認定された持続可能な方法で栽培された天然ゴム製だ。リサイクルゴム粒子がタイヤのコンパウンドに追加されてテラゾ効果を生み出し、リサイクル素材の使用を意図的に強調している。ホイールは、最小限の素材を使って製造された。ガラスルーフの後部のフィンには、通信やアンテナ技術が組み込まれており、ドアの開閉状態やバッテリーの充電レベルなどに関する情報を提供する。

リアは、すべてのディスプレイとライト機能が、ダークガラスのテールゲートに組み込まれた。車両のメインスイッチをオフにすると、ダークガラスの表面にBMWのロゴが浮かび上がる。ブラックのリアバンパーは、リサイクルされたプラスチック製とした。

◆接着剤を使わない新しい接合技術

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インテリアは、環境と資源への責任あるアプローチを示す素材と製造プロセスを採用して、ラグジュアリーな雰囲気を作り出すことを狙った。車両のライフサイクル終了後、解体と選別を容易にするために、接着剤を使わない新しい接合技術を導入した。廃棄物や半端な素材の発生を最小限に抑えるために、すべての部品と素材は、3Dプリントなどを使用して正確にフィットするように生産される。

観音開きのサイドドアは大きく開く。キャビンは、グレーを基本に、フロアやサイドトリムパネルをライトミントグリーンで仕上げた。外装と同様に、アルマイトミスティックブロンズシェードのゴールドブロンズメタルアクセントが配される。

4つのシートは、家具のように見えるデザインとした。フロントには、一体型ヘッドレストを備えた2つの独立したラウンジシートを装備する。ベルベットのような装飾は再生プラスチックから作られた。センターコンソールは省略されており、2列目の足元スペースを拡大する。スリムなフロントシートの背面は、再生プラスチック製だ。簡単に分解できる円形の「ジョイフルフュージョン」クイックリリースファスナーにより、金属と布を簡単に分離して選別し、再利用できるようにしている。


《森脇稔》

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