市光工業、次世代ライティングシステムなど発表予定…人とくるまのテクノロジー2022

市光工業 ブースイメージ
  • 市光工業 ブースイメージ
  • HDライティング
  • ニアフィールドプロジェクション
  • e-Grill
  • 3Dサラウンドマルチビュー
  • HDライティング(ロービーム領域)
  • HDライティング(ハイビーム領域)
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市光工業は、5月25日から27日にパシフィコ横浜にて開催される「人とくるまのテクノロジー展 2022」およびオンライン展示会に出展。自動運転と電動化に関するライティングソリューションを発表する。

HDライティング…数万ピクセルの光を個別制御

HDライティングは、数万ピクセルに分割された照射範囲ひとつひとつを個別に制御する次世代のフロントライティング技術。ロービーム領域では、路面に線や記号を照射することで、ドライバーにレーンガイドやナビゲーションといった情報を表示して運転を支援し、横断する歩行者の足元を強調して照らすことで、歩行者の発見を早め、安全性を高める。ハイビーム領域では、必要最低限の範囲だけを遮光するグレアフリーハイビームで対向車や先行車への幻惑を防ぎながら、従来のハイビーム時と同等の光量を保ち運転できる。

また、標識にあたる光を抑えることで反射による眩しさを軽減することで標識を見やすくし、歩行者の上半身のみを遮光することで歩行者への眩しさに配慮する。最新のHDライティングユニットは従来品と比較して夜間の視認性を向上。同社が独自に実施した実験では、夜間運転における運転者のストレスレベルを大きく低減できることを確認した。

今回の展示では、従来品である12分割のADB(Adaptive Driving Beam)ユニットと比較したデモンストレーションを実施。ライティングの進化を体感できる。

e-Grill…ラジエターグリルに代わる「光るフロントパネル」

自動車の電動化により、ラジエターグリルに備えられた「エンジン冷却のための吸気」機能の役割が小さくなる。一方で、ラジエターグリルはアイデンティティを表現するアイコニックな役割も担っている。また世界的なスタイリングトレンドとして、ヘッドランプはより薄く、信号灯はより大きくなってきており、グリルとランプの意匠面での垣根がなくなりつつある。e-Grillはこうしたスタイリングトレンドと車両の電動化という技術トレンドに合致した、電動車(EV/HEV/PHEV)の普及が進む新しい時代に向けた、グリルとライティングが融合した商品だ。

今回展示するe-Grilleのプロトタイプは、大日本印刷との協業による、機能的なフィルム素材を採用。非点灯時は美しいグラフィックの外観でありながら、点灯時はグラフィックの影響を受けることなく、ライティング形状を強調する。加えて、通常走行時は光るグリルとしてくるまの顔を作る役割を持ち、さらに充電時は充電状況が確認できるランプという新たな役割を担うことができる。

3Dサラウンドマルチビュー…高画質3D映像で全方位を表示

3Dサラウンドマルチビューは4つのHDカメラによる映像をリアルタイムで合成し、高画質の3D映像で全方位の安全な視界を表示させる。俯瞰ビューを常時表示するとともに、3Dビューで周囲の状況を把握。車両後方の死角など、今まで見るのが困難だった部分を含めて1つのモニターで車両サイドと後方を確認できるようにした。さらにカメラとカメラのつなぎ目部分に違和感のない合成技術を使用。同社製モニターと連動可能で、通常のトラックだけでなく、特殊車両・建機にも対応する。

今回、キャリブレーション時にカメラ位置や画面表示視点を変更できるツールを開発。顧客の要望や車両の形状に合わせた仕様の開発期間を約2か月半から1か月程度に短縮し、導入コストおよび工数を低減した。また、HDR(ハイダイナミックレンジ)技術を搭載した128万画素の後方用シャッター付きHDカラーカメラや従来よりも広角な側方用カメラと、デジタル化・大型化を図ったHDカラーモニター、それらに対応したバックセンサーなどをラインアップ。夜間やトンネル内などでより鮮明な画像を提供するとともに、より広角なカメラと大型化したモニターを採用することで従来品より約25%視野が広がった。さらにHD-TVI伝送技術により長距離の伝送が実現。従来では困難だった大型トラック、トレーラー含め全ての車種へ装着ができるようになった。

ニアフィールドプロジェクション…車両の動きを光で伝達

ニアフィールドプロジェクションは、プロジェクション技術を用いて、車両の動きを車外の道路利用者に対してわかりやすく注意喚起することで、安全性を高め、交通事故の低減に貢献する。同製品はドライバーのためではなく、歩行者や自転車、バイクといった車両周辺の道路利用者に向けた情報伝達を目的としたソリューション。ドライバーが安全運転することに加え、車両周辺の道路利用者に対して車両の動きや危険をわかりやすく伝え、相互に気をつけることで巻き込み防止や接触などの事故の低減を目指す。また、EVをはじめとする静かな車の接近を知らせることにも役立てられる。

今回の展示会では、ニアフィールドプロジェクションのユースケースが分かる模型に加え、ターンシグナルランプと連動する、方向指示のためのプロジェクションユニットの試作品を展示する。



《纐纈敏也@DAYS》

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