フォード初のEVピックアップトラック、マイナス30度でテスト…今春から米国納車へ

雪や氷の低ミュー路でEVパワートレインを調整

1回の充電での航続は最大483km

最新のコネクティビティ「SYNC 4A」を初採用

フォード F-150 ライトニング
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フォードモーターは3月3日、フォード『F-150ライトニング』(Ford F-150 Lightning)の今春からの米国納車開始を前に、アラスカを中心にしたウインターテストを行った、と発表した。

◆雪や氷の低ミュー路でEVパワートレインを調整

フォードのエンジニアは、アラスカ中心部のマイナス30度の気温下で2週間過ごし、雪や氷などの低トラクションの路面でのF-150ライトニングのパフォーマンスの微調整を行った。

エンジニアは、柔らかい雪、圧雪、氷、氷とコンクリートが半分ずつなど、さまざまな冬の路面で6台のF-150ライトニングのプリプロダクションモデルを走行させた。F-150ライトニングは、ホイールのスリップを検知すると、数ミリ秒以内にモーターから駆動輪に送るパワーを調整する。これは、全電動パワートレインならではの迅速なレスポンスのメリットになるという。

アラスカに加えて、ミシガン州のアッパー半島、ボレゴスプリングス、ジョンソンバレー、フォードのミシガン試験場で、低ミュー路テストを実施した。常時作動する電動4WDシステム、迅速なトルク伝達、標準の電子ロック式リアデフなどにより、雪や氷の上でも、ドライバーが自信を持って運転できるようにしているという。

◆1回の充電での航続は最大483km

F-150ライトニングには、フォードモーターの最新の電動化テクノロジーが搭載されている。前後アクスルに搭載されるモーターは標準モデルが最大出力426hp、上位モデルが最大出力563hp。最大トルクは、どちらも107.2kgmを引き出す。強力なツインモーターは4輪を駆動し、上位モデルの場合、0~96km/h加速4秒台半ばの性能を発揮する。最大積載能力は標準モデルで約900kg。牽引能力は上位モデルで4.5トン以上を目標に掲げている。

バッテリーは新世代の水冷式リチウムイオンだ。バッテリーの蓄電容量には2種類があり、1回の充電での航続は標準モデルが約370km、上位モデルが約483km(いずれもEPA認定予定値)となる。

充電に関しては、自宅向けに80アンペアの充電システムを標準装備した。デュアルオンボード充電システムを利用すれば、さらに高速な自宅での充電を可能にする。フル充電にかかる時間は約8時間。外出先では、北米最大の公共充電ネットワークに「FordPass」を通じてアクセスできる。全米の6万3000か所以上の充電ステーションでは、最大出力150kWでDC急速充電が行える。10分で最大約87kmの航続に必要なバッテリー容量を充電可能。約40分でバッテリーの80%を充電できる。

◆最新のコネクティビティ「SYNC 4A」を初採用

内燃エンジン搭載のF-150とは異なるEV専用のエクステリアを採用する。フロントマスクを横切るLEDライトバーが選択できる。空力性能も追求されており、新設計のランニングボード、空気抵抗を減らすためのフロントフード、専用デザインの空気取り入れ口を設けたグリルなどがある。

エンジンを持たないフロントフードの中には、多用途の「ハイテクメガパワートランク」が設けられた。この収納スペースは安全にロック可能で、電動開閉システムでアクセスできる。収納スペースは、400リットルの容量を備えており、約180kgまでの荷物の積載が可能。フォードモーターは、機内持ち込み手荷物2個とスーツケース1個、またはゴルフクラブ2セットを収納するのに充分という。

最新のコネクティビティとして「SYNC 4A」が初採用される。これは、15.5インチの大型タッチスクリーンを核としたシステムだ。SYNC 4Aは、自然な音声コントロール、クラウドに接続されたナビゲーション、Apple 「CarPlay」、グーグルの「Android Auto」へのワイヤレスアクセス、アマゾン(Amazon)の「アレクサ(Alexa)」や「SYNC AppLink」アプリの車載化を実現している。

ドライバー正面には、12インチのデジタルインストルメントクラスターを採用した。重要な情報を表示するとともに、カスタマイズ可能なインターフェイスを備えている。アニメーショングラフィックスには、回生ブレーキによるバッテリーへの蓄電状況など、各種情報を分かりやすく表示する、としている。

《森脇稔》

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