電動ピックアップのリビアン『R1T』、スキッドプレートに金属調加飾フィルム

リビアンR1T
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  • リビアンR1Tのフロントスキッドプレート
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  • リビアンR1Tのリアスキッドプレート
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米新興EVメーカーのリビアンは、出荷を始めた電動ピックアップトラック『R1T』のフロント&リアの、スキッドプレートの表皮材に、ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジーの金属調加飾フィルム(サテン調)を選定した。近く生産を開始するSUV『R1S』への供給も決定している。

スキッドプレートとは、自動車の車体下側が地面と接触した時に車体の損傷を防ぐための部品。従来は基材のABS樹脂やポリプロピレン樹脂にメッキを施すのが一般的だが、リビアンはメッキ代替として金属調加飾フィルムを採用した。

金属調加飾フィルムは樹脂パーツの表面を覆うフィルムだ。外側から貼るのではなく、光輝テープと樹脂を押出機で成形したり、型に流して射出成形したりする。金属調だけでなく、色やテクスチャーもデザインでき、見た目は金属調でも光を透過したり、微細な穴を設けることで通電性を保つこともできる。北米でフォード『マスタング』のフロント透過エンブレムに採用されたり、日本でスマートエントリーシステム対応のドアハンドルなどに採用されたりしている。車内パーツでの採用例も増えた。

金属調加飾フィルムは、有害性が議論される物質が含まれるメッキやCO2の排出が多い塗装と比べて環境に優しく、また当然のことながら防錆だ。リビアンはサステナビリティと環境に優しい技術の搭載を企業理念としており、メッキ代替として金属調加飾フィルムの採用を決めた。

ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジーは、リビアンによる採用が他自動車メーカーでのフィルム採用に向けて追い風になると期待する。これを弾みにアメリカ、ならびに世界での市場を拡大し、2021年3月期に41億円の売上は、24年3月期に59億円を計画し、100億円突破をめざす。

電気自動車(EV)メーカーのリビアンは2009年に設立され、三菱自動車が閉鎖したイリノイ州ノーマルの工場を買い取り本拠とした。米アマゾン・ドット・コムや米フォードモーター、日本からは住友商事が出資しており、EVメーカーのパイオニアであるテスラを引き合いに「ネクスト・テスラ」とも評される。2021年11月にNASDAQ への新規株式公開(IPO)を果たし、同年の自動車のIPOとしては世界最大規模となった。アマゾンとは共同で商用EVの開発を進め、すでに10万台を受注している。

《高木啓》

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