ドゥカティ『パニガーレV4』、300km/h時の空力性能を向上…2022年型を欧州発表

新デザインのフェアリング

V型4気筒エンジンのパワーを215.5psに強化

「S」バージョンにオーリンズ製サスペンション

ドゥカティ・パニガーレ V4 の2022年モデル
  • ドゥカティ・パニガーレ V4 の2022年モデル
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ドゥカティ(Ducati)は11月25日、「ドゥカティワールドプレミア2022」において、『パニガーレV4』の2022年モデルを発表した。

パニガーレ V4の2022年モデルは、ドゥカティのスポーツバイクの最新の進化形だ。ドゥカティコルセが長年培ってきたレースのノウハウとテクノロジーを、量産車へと継続的にフィードバックしてきたドゥカティの姿勢を明確に示すモデルになるという。

◆新デザインのフェアリング

2022年モデルでは、パニガーレ V4の誕生以来、最も大きな進化を遂げた。エアロダイナミクス、エルゴノミクス、エンジン、シャシー、エレクトロニクスなど、すべての分野が含まれる。その結果、サーキットでさらに速くなり、同時に幅広いライダーにとって、より直感的で疲れにくいバイクに仕上がった、と自負する。

ドゥカティのエンジニアは、フェアリングの改良に集中的に取り組んだ。よりコンパクトで薄いダブルプロファイルデザインのウイングと組み合わせることで、空力性能の向上を達成した。この改良により、300km/hで最大37kgのダウンフォースを得ることに成功している。

さらに、フェアリングの下部には、冷却効率を改善するために再設計されたエア排出ソケットを設置した。これにより、とくにサーキット走行におけるパフォーマンスが向上しているという。

ドゥカティ・パニガーレ V4 の2022年モデルドゥカティ・パニガーレ V4 の2022年モデル

◆V型4気筒エンジンのパワーを215.5psに強化

2022年モデルには、MotoGP由来の1103ccのV型4気筒ガソリンエンジン「デスモセディチ・ストラダーレ」を搭載する。いくつかのテクニカルエレメントを見直すことによって、パワーが増加すると同時に、スロットルレスポンスも向上している。

従来型と比較して最大出力を1.5psプラスの215.5ps/13000rpmとした。また、ピークパワーを超えた14500rpm時には、パワーが2.5ps増加している。このエンジンはまた、12.6kgm/9500rpmの最大トルクを発生し、6000rpmから最大トルクの80%を引き出す。

2つのサイレンサーアウトレットの直径は、38mmに拡大された。排圧が低減された結果、エンジンパフォーマンスが向上している。オイル回路を見直し、より容量の少ないオイルポンプを採用したことで、パワーの損失が減少している。

新しいギアボックスは、1速、2速、6速のギア比を高めた。SBKマシンと同じこの新しいギア比は、よりレース指向となり、サーキットでの使用に適しているという。1速のギア比は11.6%高くなり、2速ギアは5.6%高くなった。この新しいギアボックスのおかげで、タイトコーナーでより容易に1速までギアを落とすことが可能になった。エンジンブレーキをより有効活用できるだけでなく、コーナー出口における加速も引き上げているという。

ドゥカティ・パニガーレ V4 の2022年モデルドゥカティ・パニガーレ V4 の2022年モデル

◆「S」バージョンにオーリンズ製サスペンション

シャシーも数多くの重要な変更を受けている。技術的な選択は、MotoGPとSBKで培われた経験に基づくもので、サーキットでのパフォーマンスの向上を目的としている。より速いラップタイム、肉体的負担の軽減、そしてより優れた一貫性を達成することにあるという。

エンジンは、アルミ製フロントフレームと直接接続され、シャシーの構造部材としても機能する。シャシーは、軽量マグネシウム製フロントフレームとシェルキャストアルミ製シートポストで構成された。上部はフロントフレームに固定され、下部がリアバンクのヘッドにねじ込まれている。

「S」バージョンには、オーリンズ製「Smart EC 2.0」電子制御システムを備えたオーリンズ製「NPX 25/30」加圧式フロントフォークが装備された。新しいフォークは、従来のフォークと比較してトラベルが5mm増加して125mmに。縮み側のダンピングは25mm径のピストンを使用して左ロッドで行われ、伸び側のダンピングは30mm径のピストンを使用して右ロッドで行われる。

このレイアウトはSBKから派生したもので、サーキットの全開走行におけるオイルキャビテーションのリスクを最小限に抑える。その結果、ブレーキングの際のサポート力が向上すると同時に、バンプの吸収性が改善された。これらすべてにより、乗り心地とスピードが向上し、より容易に限界までプッシュできるようになった、としている。


《森脇稔》

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