ガソリン高騰! EVにするとどれくらいお得?…電気代との損得分岐点

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  • BEVとHEVの走行コスト比較
  • 燃費が20km/L以下の場合、ガソリン代が電気代より安くするのは厳しくなる
  • VWの充電カード

ガソリン価格が下がらない。「e燃費」サイトの11月9日付けの価格をみるとレギュラーで約160円。コンパクトカーでも満タン1回が5000円前後という感覚だ。ここまで上がると電気自動車ならどうなんだろうと、オーナーならずとも気になる。

●ガソリン価格がいくらだったらお得になるのか

EVとガソリン車のランニングコスト比較は、これまでも多くのメディアでとりあげられており、ブログなどでもすぐに見つかる。ガソリン価格高騰のおり、あらためて簡易的な試算をする計算式を考えてみたので、これをベースに実際にどちらがどれくらいお得で、「ガソリン価格がいくらだったらガソリン車がEVよりお得になるのか」という点だけ考えてみたい。

今回注目したいのは、1回の給油や充電よりも年間、または1か月あたりの燃料代と電気代の単純な比較だ。考え方は以下の式となる。

年間コスト=年間走行距離÷燃費(電費)×ガソリン単価:円/L(電気代単価:円/kWh)

月額にするにはこれを12で割る。年間走行距離は、商用車や業務用自家用車でなければだいたい5000kmから1万kmといったところだろう。今回この2つのパターンについて考えてみる。

燃費は「e燃費」ランキングを参考に20km/Lと30km/Lの車両を想定する。20km/Lは国内の一般的なハイブリッド車を想定している。30km/Lは「e燃費」の投稿ランキングでの1位(車両はトヨタ『アクア』)なので、一般化できない燃費だが最大実測値として計算してみる。

電費の定量的なデータ、リファレンスとなるデータは少ないが、さまざまな試乗レポート・記事、メーカーのホームページ、各種ブログの報告などを総合すると、平均的なEVの電費は6km/kWhとする。高速道路や一般道で普通に流れてれば7km/kWhくらいが目安となるが、渋滞や坂道、冬場の走行を考慮して1ポイント下げた値を利用する。なお、この数値は、筆者のEV走行、試乗での実測や感覚とも一致する。

ガソリン単価は冒頭の「e燃費」単価を参考に160円/Lとした。電気代の計算は簡単ではない。契約の基本料+従量課金が一般的だが、売電市場が解放された現在、事業者ごとにさまざまなプランを用意している。基本料も、契約電力(アンペア数またはVA数)で変わってくる。従量部分もステップ方式のものが多く、ガソリンのような単価が計算しにくい。ここでは、東京電力の従量電灯B契約での従量部分の最高額30円/kWhを使う。電気代の明細を保管しているなら、各自の毎月の電気代と使用電力量(kWh)で単価を計算してもよい。

●モデルケースでは納得の数値

以上の条件で簡単なExcelの表をつくり計算と比較が簡単にできるようにした。燃費や単価などを別セルにして値を変えても自動計算できるようなっている。

あくまで前述モデルによる概算例に過ぎないデータだが、ガソリン価格が160円だと、年間走行距離5000km程度でもEVの月額電気代のほうが1000円以上安い。トヨタ『ヤリス』やアクア・クラスのモンスター燃費のクルマ(30km/L)との比較でも200円近く安くなる。この条件だとリッターあたり150円が分岐点となり、ガソリン車(30km/L)とEV(電費6km/kWh)のコストが同額になる。20km/Lのガソリン車の場合は、リッターあたり100円まで下がらないとEVと同じコストにならない。

ハイブリッドでない場合、おそらく燃費は10km/L台が普通ではないだろうか。燃費が15km/Lだと、年間走行距離5000kmでも月額でEVの2倍以上(4444円)のガソリン代となる。1万km走る人だと年間10万円を超える(EVの電気代は半額の5万円)。

●要検討のファクター、吸収できる差

一般論としてガソリンよりも電気代のほうが安く価格変動も少ないので、当然の結果といえば結果だが、ここまでの計算には落とし穴もある。

まず、上記電気代はすべて自宅の普通充電をした場合の計算だ。実際にEVを購入するとき外での急速充電用に充電カードの契約もする。カードの種類もディーラーごとのカードやeMPや電力会社のカードとさまざまだ。カードの種類やプラン詳細については「EVSmart」や「GoGoEV」といったサイトに詳しく掲載され、アップデートも行われており最新の情報が手に入る。

本記事では、充電カード詳細の説明や比較は省くが、だいたい月額1000円から5000円くらいのプランに収まっている。つまり、充電カードプランの代金は電気代とは別に発生する。フォルクスワーゲンなど一部ディーラーは月額固定(5200円)で充電し放題のプランがあるが、多くは従量課金(無料枠あり)と併用となる。

もちろん、充電カードで外充電すればその分、自宅での充電が必要なくなるので、単純な足し算にはならない。カード契約せず、都度課金で急速充電器(30分約1500円)を利用する方法もある。急速充電が月0~2回くらいで自宅充電を基本とする使い方なら、おそらくこの使い方が料金を最適化できる。

もうひとつ、仮にコンスタントの20km/Lを出せるクルマならば、EVとの差は月額で1000円くらいだ。コーヒー3杯、普通のランチ1回分と考えれば差額は他の消費で調整できる範囲だ。日常生活の中では無視できる誤差かもしれない。

●毎月のガソリンに5000円以上なら

まとめると、年間走行距離が5000kmくらいでEVを1台運用すると、電気代がおよそ1か月約2000円。これに充電カードの費用(従量課金含む)の増減を加味しても5000~7000円/月が標準的なEVの充電コストといえる。つまり、毎月のガソリンに5000円以上支払っているならEVを検討する余地が生まれる。

《中尾真二》

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