戦後の日本の自動車史は航空機技術から始まった!

『日本航空学術史』
1910-1945
編者:日本航空学術史編集委員会
発行:三樹書房
定価:1万5400円
ISBN978-4-89522-752-0

明治時代から始まる日本の航空産業および技術は、昭和初期に急成長を遂げる。その当時の日本の航空技術者たちが書き記した第一級の史料が300部限定で復刻された。編纂開始から45年、約220名の関係者の証言を詳細に収録した永久保存版といえるだろう。

本書は、堀越二郎氏、松村健一氏、久保富夫氏、種子島時休氏、糸川英夫氏などそれぞれの技術に携わった約220名の当事者自らによる記述に加え、さらに、当時の航空関係組織、企業の足跡、生産機数や要目に至るまで、日本の航空産業全般についてまとめられた大著だ。

日本航空学術史編集委員会から1990年6月30日に発行(発売元は丸善)され、関係者に配布された版を忠実に復刻・刊行したのが本書である。つまり、少部数配布された希書が、史料を後世に残すことを目的に復刻されたのだ。

その内容はまさに学術論文そのものだ。そこに出てくる名前を見ていると、長谷川龍雄氏や田中次郎氏を見つけた。お二人は立川飛行機出身で、長谷川氏は後にトヨタ初代『カローラ』の開発責任者を務め、田中氏はプリンス自動車で初代、二代目『スカイライン』やレース車両の開発に従事。日産になってからも初代『プレーリー』などの開発に携わっていた。つまり、戦後、日本の自動車の発展に航空機技術者は欠かせない存在で、そのノウハウがいかんなく発揮されていたのである。

《内田俊一》

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