モーガンモーターカンパニー(以下、モーガン)は9月1日、生産を終了したモーガン『3ホイーラー』の後継車となる新しい3輪車を開発していると発表した。プロトタイプ車両の写真を公開している。
従来モデルは8月に生産を終了
モーガン社は1909年、ヘンリー・フレデリック・スタンリー・モーガン氏によって英国ウスターシャー州に設立された。1910年のオリンピアモーターショーにおいて、前輪が2、後輪が1の3ホイーラーを発表し、自動車メーカーとして名乗りを上げた。
3ホイーラーは、排気量1.1リットルのV型2気筒エンジンを搭載し、チェーンで後輪を駆動した。アルミ製のボディは350kgと軽量で、さまざまなモータースポーツで活躍を見せた。1952年までの40年間以上に渡って生産された事実が、3ホイーラーの人気の高さを物語っている。
2011年春、ジュネーブモーターショー2011で、およそ60年ぶりに復活した3ホイーラーは、オリジナルのデザインに敬意を払いつつ、航空機をモチーフとしたボディを採用した。インパネのデザインも航空機のコックピットにヒントを得ており、21世紀の3ホイーラーとして登場した。8月26日、現行3ホイーラーの最終モデル、「P101エディション」がラインオフし、同車は生産を終了している。
新しいデザイン言語を導入して従来型と差異化
モーガンは、生産を終了した3ホイーラーの後継車となる新しい3輪車を開発している。現時点では車名は公表されていないが、まったく新しいデザイン、冒険的なキャラクター、大幅に進歩したエンジニアリングが特長になるという。
エクステリアには、初期のジェット時代に触発された新しいデザイン言語を導入する。これにより、新しいモデルが従来型との違いを、瞬時に認識できることを目指すという。
モーガンは、開発テスト中のプロトタイプの写真を公開した。開発の初期段階のプロトタイプであり、ボディには擬装が施されている。テストと耐久性プログラムは、これまでに開発されたモーガン車の中で、最も広範囲に及ぶという。
フォード製の直列3気筒ガソリン自然吸気エンジン搭載
パワートレインの詳細は発表されていないが、発売の時点では内燃エンジンを継続搭載する。フォードモーターから供給を受ける自然吸気の直列3気筒ガソリンエンジンだ。モーガンは長年にわたって、フォードモーターのパワートレインを使用し続けており、3ホイーラーの後継車にも、フォードモーター製のエンジンが搭載される。モーガンは1933年以来、3輪モデルと4輪モデルの両方で、フォードモーター製エンジンを使用している。
モーガンによると、この新しいモデルの発表が、モーガンの3輪車の物語の次の章の始まりを示しているという。
モーガンモーターカンパニーのスティーブ・モリス会長兼CEOは、「次世代モデルは、まったく新しいゼロからの開発であり、新パートナーのInvestindustrialの資金を充当して開発プログラムを進めている最初のモデル。モーガンのエンジニアとデザイナーは、従来型3ホイーラーの10年間に学んだノウハウを新型に投入する。このエキサイティングな新型車について、さらなる詳細を明らかにできる日を楽しみにしている」と語っている。