アキュラ NSX 、レーサーは2024年まで存続…GT3が「エボ22」に進化

GT3レギュレーションに適合させるために開発したレーシングカー

市販車とは異なりハイブリッドは未搭載

強化されたエンジンインタークーラーを採用

アキュラ NSX GT3 エボ22
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ホンダのアキュラブランドは8月6日、『NSX GT3 エボ22』(Acura NSX GT3 Evo22)を米国で発表した。年内に生産終了予定の現行『NSX』ベースのレーシングカーで、2024年までレースへの参戦が公認されている。

GT3レギュレーションに適合させるために開発したレーシングカー

レーシングカーのNSX GT3 エボ22は、市販車のNSXをベースに、ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)がFIA(国際自動車連盟)のGT3レギュレーションに適合させるために開発したレーシングカーだ。HPDはアメリカンホンダの完全子会社で、北米でのホンダとアキュラの高性能レーシングプログラムを手がけている。

HPDは1993年以来、「ホンダ・レーシング」と「アキュラ・モータースポーツ」の顧客をサポートしてきた。HPDは、パワートレイン、シャシー、電子機器、パフォーマンスパーツの設計と開発、技術サポートとレースサポートを行う。 HPDは、アマチュアとプロを問わず、ホンダとアキュラのモータースポーツレーサーに、パーツとレースのサポートを提供している。

『NSX GT3』は、2017年に北米で発売されて以来の4シーズンで、「IMSA GTD」や「SRO GTコンペティション」において、25のクラス優勝を達成した。IMSA GTDとSRO GTでは、マニュファクチャラーズチャンピオンも獲得している。

NSX GT3 エボ22は、シャシーを米国オハイオ州メアリーズビルのホンダの「パフォーマンス・マニュファクチャリング・センター(PMC)」で生産する。車両の最終組み立ては、イタリア・ミラノのJASモータースポーツが担当する。

市販車とは異なりハイブリッドは未搭載

ミッドシップには、市販車のNSXと同じ3.5リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載した。エンジンブロック、ヘッド、バルブトレイン、クランクシャフト、ピストン、ドライサンプオイル潤滑システムは、市販車から流用する。トランスミッションは、6速シーケンシャルだ。

NSX GT3 エボ22と市販車との最大の違いは、ハイブリッドシステムが搭載されない点だ。エンジンのパワーだけが後輪を駆動するMR(ミッドシップ・リアドライブ)車となり、市販車のNSXの特徴である前/後輪へのモーターパワーのアシストはない。これは、FIAのGT3レギュレーションが、ハイブリッドと4WDを禁止しているためだ。3.5リットルV型6気筒ツインターボエンジンは、最大出力550hp、最大トルク65.7kgmを引き出す。

NSX GT3 エボ22では、リップスポイラー、ディフューザー、リアバンパーなどにより、空力性能や冷却性能を高める。ターボチャージャーは、スロットルレスポンス、ブーストコントロール、燃費を追求する。最新バージョンのABSや、ボッシュ製のディスプレイとデータロガーも装備されている。

強化されたエンジンインタークーラーを採用

NSX GT3 エボ22には、強化されたエンジンインタークーラーが採用されており、幅広い条件でエンジンの性能を引き出すことを目指す。スプリングレートとサスペンションのジオメトリも見直された。耐久レース向けに、タンクサイズを拡大する。タイヤ交換をより速く行うために、ホイールシステムも変更された。FIAによって義務付けられた新しいレインライトも導入されている。

さらに、NSX GT3 エボ22では、エアコンシステムとヘッドライトの新しいバリエーションオプションが選択できる。

NSX GT3 エボ22は、2022年から世界中のサーキットにおいて、レースに参戦する予定だ。多くのチャンピオンシップを獲得したアキュラNSX GT3の最新の進化は、チームとドライバーのニーズに対応することを目的とした多くのアップデートが特長で、より優れたパフォーマンスを提供する、としている。

《森脇稔》

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