日野 小木曽新社長「FCEVの競争は追い風になる」---就任会見

日野自動車の小木曽聡社長
  • 日野自動車の小木曽聡社長
  • トヨタと日野が共同で開発するFC大型トラック(イメージ)
  • 日野デュトロ Z EV

日野自動車は7月2日、6月24日に就任した小木曽聡社長の記者会見をオンラインで行った。小木曽社長は冒頭、「1942年の創業から来年で80年となる。先人の志のこもったタスキを受け取る重さをひしひしと感じている」と語った。

そのうえで、トヨタ自動車から転じた日野で大切にしていくポイントとして「『お客様・社会のお役に立つ』を全ての起点にすること、そして変革の時こそ『人づくり』を重視する」と強調した。

質疑のなかで、トヨタ時代に自らも開発に携わったFCEV(燃料電池車)の商用車での可能性について「(水素ステーションの)インフラがひとつの課題ではあるが、トラックは幹線にステーションを置けばいいので有利な点もある。耐久性と信頼性をトヨタさんとともに磨いて行きたい」と述べた。欧州の商用車メーカーなども参入を図っていることに関しては「コンペティターがあるのは追い風であり、技術の進化に競争は必要」と指摘した。

また、トヨタやダイハツ工業といったグループ内、およびいすゞ自動車といった外部との連携を進めることについては「CASEの大変革の時代に個社でやっていてはスピードが足りなくなる。電動化のみならず、カーボンニュートラルや安全のところで、もっと加速させなければならないこともある」と述べ、テーマによって更なる強化が必要との考えを示した。

小木曽聡氏(おぎそ・さとし) 1983年東京工大工学部機械工学科卒、トヨタ自動車入社。2007年から開発責任者であるチーフエンジニアを歴任し『プリウス』などを担当、13年常務役員。15年からアドヴィックス社長を務めた後、18年トヨタ専務役員、19年同執行役員。21年2月日野自動車顧問、6月に現職。「走る」ことが趣味で昼はテストコース、夜間はグラウンドで走り込む。ランニングは月に200~300kmに及ぶという。東京都出身、60歳。

《池原照雄》

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