3段スイッチバックを越えるトロッコ列車が消える…木次線の『奥出雲おろち号』、2023年度限り

2023年度限りで運行終了することになった『奥出雲おろち号』。機関車、客車とも銀河鉄道をイメージした白・青・グレーの塗色に統一されている。
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  • 奥出雲おろち号
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JR西日本は6月3日、木次(きすき)線のトロッコ列車『奥出雲おろち号』の運行を2023年度限りで終了すると発表した。

同列車は1998年4月、現在の島根県奥出雲町からの要請を受けて、木次~備後落合間で運行を開始。12系客車2両(スハフ12 148、スハフ12 3001)が充てられ、スハフ12 148は発電用エンジンと冷房装置を撤去した簡易運転台付きのトロッコ車スハフ13 801に、スハフ12 3001は控車としてスハフ12 801に改番された。

この2両はDE15形ディーゼル機関車2558号機(DE15 2558)、またはDE10形ディーゼル機関車1161号機(DE10 1161)と編成を組み、往路の備後落合行きはトロッコ車から機関車を制御、復路の木次行きは機関車が牽引する形で運行されてきたが、車両の老朽化を理由に運行終了が決定された。

出雲坂根~三井野原(みいのはら)間は両駅の標高差が162mあり、30パーミル(1000分の30)の急勾配区間となっていることから、3段スイッチバックと大カーブを通過するトロッコ列車は木次線名物として知られ、2010年4月には山陰本線出雲市からの乗入れを開始。2020年度は年間約150日の運行で約1万4000人の利用があったという。

なお、今夏は7月22日~8月31日、9月3~5・10~12・17~20・23~28日に運行。このうち、7月22・23・25日、8月1・8・9・15・22・29日、9月5・12・19・20・23・26日は備後落合行きが出雲市始発で運行される。

2022年度以降は4月から土休日を中心に運行する計画で、2022年度の延べ運行日数は2021年度と同じ130日程度を予定している。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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