メルセデスベンツは3月31日、ドイツで開催した年次総会において、4月15日にデジタルワールドプレミアする予定の新型EV、『EQS』(Mercedes-Benz EQS)の最新プロトタイプ車を公開した。外装デザインの特徴も発表している。
「メルセデスEQ」は、メルセデスベンツが立ち上げた電動車に特化したサブブランドだ。メルセデスEQブランドの最初の市販車として登場したEVが、SUVの『EQC』となる。EQブランドの市販第2弾は、ミニバンの『Vクラス』ベースの『EQV』、第3弾は新型『GLA』がベースのEV、『EQA』だった。
EQSは、コンセプトカーの『ヴィジョンEQS』の市販バージョンとなる大型EVサルーンで、新型『Sクラス』のEVバージョンに位置付けられる。EQSは、ラグジュアリーカーおよびエグゼクティブセグメントのEVに、メルセデスベンツの新しい電動アーキテクチャの「EVA」を採用した最初のモデルになるという。
新型Sクラスとは異なるデザインの方向性
EQSは、新型SクラスのEV版の位置づけになるが、デザインの方向性は大きく異なる。「ワンボウライン」とファストバックのキャブフォワード設計によって、EQSはひと目で燃焼エンジン搭載車ではないことが分かることを目指したという。
新型Sクラスとの違いは、フロントのブラックパネルや、ヘッドライトとテールライトの専用デザインによって、さらに強調されている。EQSでは、メルセデスベンツのデザイン哲学「センシュアルピュリティ(官能的純粋)」に、プログレッシブラグジュアリーを組み合わせた。この考え方が、彫刻的なボディパネルやシームレスなデザインに反映されている。
EQSは、EV専用プラットフォームをベースにすることで、各コンポーネントの配置と設計の自由度が高まった。EQSのパッケージングと人間工学の面で、効果を発揮しているという。
前面空気抵抗を示すCd値は0.20
滑らかなアンダーボディや閉じられたラジエーターシャッターなどにより、エアロダイナミクス性能を追求した。EQSは、前面空気抵抗を示すCd値が0.20を達成している。
ワンボウラインとは、ぴんと張ったルーフラインを指す。クーペのようなシルエットは、低くスリムなフロントマスクと組み合わせられた。これは、フレームレスのドアと、湾曲したベルトラインによって強調されているという。
EQSは、キャブを前方に配置するキャブフォワード設計とした。Aピラーをできるだけ前に、Cピラーをできるだけ後ろに配置することにより、充分な室内スペースを追求した。オーバーハングとフロントエンドは短く、リアは滑らかに丸みを帯びている。
ブラックパネルはメルセデスEQのデザインの特長
EQSは、シームレスなデザインを目指した。フロントは、ボンネットがフェンダーに重なっている。これにより、パネルのギャップの数を減少させているという。
フロントのブラックパネルは、フロントグリル部分を黒いパネルで覆ったもの。フロントのブラックパネルは、メルセデス-EQファミリーのデザインの特徴になるという。
ヘッドライトには、3つのライトを備えたデイタイムランニングライトが組み込まれており、それぞれがライトバンドによって接続されている。テールライトは、内部が湾曲した3Dらせん形とし、ヘッドライトと同様、各ライトはライトバンドで接続されている。