Honda純正アクセサリーメーカーの愛犬家だからこそ譲れない、安全・快適へのこだわり…開発者インタビュー

季節は春、いよいよドライブに絶好のシーズンがやって来た。愛犬とのドライブで大切なのは安全性だ。これまでドライブレポートで紹介したこともある「Honda SENSING(ホンダセンシング)」のように、クルマの安全運転支援システムは大きく進化している。しかしながら、予期せぬ事故が起こる可能性はある。「もしも」を考えると、ペットをクルマに乗せる時に使用するグッズは品質の確かなモノを選びたい。

今回は、ホンダ車の純正アクセサリーメーカーであるホンダアクセスが展開する「Honda Dog」シリーズの開発者、橋冨加奈さんに製品に込めた思いを聞いた。

人間工学の知識を生かし、愛犬家としてペット用品を開発

----:ペットアイテム開発のお仕事についたきっかけを教えてください。

橋冨加奈さん(以下敬称略):大学での専攻が人間工学だったので、モノづくりに携わりたくて本田技研工業に入社しました。配属されたのがホンダアクセスで、ディーラーオプション(販売店装着品)の開発に携わることに。シートカバーやフロアカーペットなど、主に女性向けの内装用品を担当していました。ペットアイテムの開発は、「Honda Dog」シリーズが始まり愛犬と新製品のテストに参加したのがきっかけです。

----:もともと、犬はお好きだったんですね?

橋冨:ずっとワンちゃんと一緒に暮らしたいと思っていました。家を建てて、引っ越したその日にお迎えに行ったのがこの“娘”です。

----:お名前は?

橋冨:「メイ」といいます。Honda Dog製品の開発には、ぜんぶ関わっています。新製品のコンセプトモデル(試作品)を試してもらっています。うちの娘だと、どう感じているのかが理解でき、すぐ近くにいてくれるのでとても助かります。

ワンちゃんが嫌がっては意味がない

----:Honda Dogブランドの製品はすべて自社開発と聞きました。ホンダの純正アクセサリーということで、安全面は信頼できますね。

橋冨:安全は絶対に譲れないポイントですが、快適性も同じくらい大切にしています。ワンちゃんが乗って、「いや!」となっては意味がありません。開発では、クルマに取り付けてワンちゃんに使ってもらったり、飼い主さんが愛犬をクルマに乗せる動きを観察したりします。とにかく、「ワンちゃんがどう感じているのか」をできるだけ正確に理解することに注意しています。

ふたりが開発に携わってきたペットアイテムへの思い

----:メイちゃんも開発に参加したHonda Dogのペットアイテムをご紹介ください。「ペットシートプラスわん」はニーズが高そうですね。

橋冨:一番のポイントは、助手席に安心して乗ってもらえることです。飼い主さんの姿が見えないと不安がるワンちゃんも多いと思います。でも膝に乗せたり*、近くで自由にさせたりといった状態で運転するのは危険です。「ペットシートプラスわん」は、側面や天面にあるメッシュの窓を通して飼い主さんの姿が見えるように作りました。ワンちゃんにとっても飼い主さんにとっても、安心で安全なドライブのお手伝いをします。使わない時は簡単に折りたたむこともできるので、荷物を置く場合も邪魔になりません。

----:エアバッグの展開も考慮した形に作られているそうですね。飛出し防止用リードフックも付いているし、やはり安全面にも充分な配慮がされていますね。

橋冨:自動車メーカー純正品として、安全面の確保は「マスト」です。安全性と快適性をできるだけ高いレベルでバランスさせることに力を入れています。

助手席に装着できる「ペットシートプラスわん」(1万9800円、価格は全て税込)

----:ペットシートプラスわんは助手席におすすめですが、後席を使う場合は「ペットシートマット」が便利そうですね。

橋冨:「ペットシートマット」は、ワンちゃんに2列目のシートを広々と使ってもらうための製品です。こちらも、メッシュの窓から前の席に座る飼い主さんの姿が見えるようになっています。

----:メッシュの窓が肉球のデザインなのが可愛いですね! この製品は色々な使い方もできると聞きました。

橋冨:後席を愛犬専用にする場合は、ファスナーを閉じてシートから床への落下を防止します。小さいワンちゃんの場合は怪我をする危険がありますから、このような仕様にしました。ファスナーを開けば足元が広がるので、飼い主さんも一緒に座れます。背もたれ側のファスナーを開けば左右の分割が可能なので、片側をワンちゃん用にするといった使い方もできます。

「ペットシートマット」(Sサイズ、1万7600円)

----:広いスペースを確保することもできる一方、超小型犬の落下防止にも配慮されているというのは、愛犬家ならではの視点ですね。一緒に座る場合も想定されているのは嬉しい部分です。リヤシート用にはサークルもありますね。

橋冨:はい。車種によっては2列目のシートが独立した「キャプテンシート」の場合があります。その場合、ペットシートマットは使えないので「ペットシートサークル」をご用意しています。体重25キロまで対応しますので、大きなワンちゃんでも大丈夫です。この製品も、サイドにメッシュの窓がついています。リヤシートの助手席側に取り付ければ、運転席の飼い主さんが見えます。小型犬の多頭飼いをされている方からは、「みんなで乗れて良いんです!」というお声をいただいたこともあります。

25kgまでの犬に使用できる「ペットシートサークル」(2万5300円)

----:床に置く「ペットフロアクッション」はどのような特徴があるのでしょうか?

橋冨:この製品は比較的大型のクルマに使うことをイメージして、ゆったりサイズにしています(幅55×長さ61cm、2枚1組)。超大型犬の場合、「足元でゆっくり」というスタイルが落ち着く場合もあるそうです。低反発クッションが入っているので、座り心地もかなり良いんですよ。

「ペットフロアクッション」(1万1000円、2枚1セット)。サイズは幅約55cm×長さ約61cm×高さ約5cm

----:小型犬はペットシートプラスわんやペットシートマット、体重25キロまではペットシートサークル、大型犬の場合はペットフロアクッションと、愛犬のサイズやニーズに応じて選べるわけですね。飛び出し防止については対策されていますか?

橋冨:「ペットシートサークル」や「ペットシートマット」は、「ペット車外飛び出し防止リード」と組み合わせて使用できるようにデザインされています。このリードは、チャイルドシートを取り付ける「ISOFIX」金具を利用して簡単に取り付けられます。

うちの娘もそうなのですが、目的地に「着いた!」と思うとワクワクして飛び出したがるワンちゃんは多いと思います。事故を防ぐためにも、きちんと固定してあげるのは飼い主としての大切な役目だと思います。

ホンダ純正品としての品質保証と楽しさの追求

----:他にも色々なアイテムがあると思います。簡単にご紹介ください。

橋冨:「ペットドアライニングカバー」はドアの内側に汚れやひっかき傷、よだれなどが付くのを防ぐ製品です。ほかには、「ペットキーカバー」や「ペットセレクトノブカバー」があります。柔らかいシリコン素材でできた肉球のさわり心地を楽しんでいただけます。「ペットエンブレム」はメッキタイプの「Honda Dogデザイン」から、ポップな雰囲気の「ほねデザイン」、立体の「肉球デザイン」と好みに応じて選んでいただけます。可愛らしい遊び心も大事にしたいと思っています。

----:こうした製品も含め、すべてにホンダの保証が付くそうですね。

橋冨:走っている時にエンブレムが外れてしまうといったことは許されません。色あせて「残念」な印象になってもいけません。買っていただいたお客様にがっかりな思いをさせないためにも、純正メーカーとして品質に妥協はできません。

飼い主の意見をもとに、ニーズに応える製品を開発中

----:製品の企画や開発には、お客様の意見も反映されているのですか?

橋冨:試作品をイベントに出してお客様のご意見をうかがったり、アンケート調査を行ったりして次の製品に活かす活動も行っています。やはり、飼い主さんに選んでいただけないと意味がありませんから。

----:そうしたお客さんのニーズを踏まえて、今後発売する予定の新製品はありますか?

橋冨:「ペットシートプラスわん」の新しいモデルを開発中です。まだ詳しくはお話しできないのですが、もう少し大きいワンちゃんにも使っていただける製品を作っています。

「ペットシートプラスわん」の試作品。もう少し大きい愛犬でも使えるように新製品を開発中
販売中の「ペットシートプラスわん」

試作品のテストでは柴犬ちゃんにも参加してもらいました。販売中のものでは体が半分くらい出てしまうのですが、床に伏せていればファスナーを閉めても入れるサイズになっています。もう少ししたら、皆さんにお見せできると思います。

ペットアイテムの開発時には愛犬と飼い主に参加してもらい、試作品のテストを行う


インタビューを通して、すべての製品開発に愛犬家の社員が携わっているというHonda Dogには、「思い」の強さとこだわりが感じられた。大切な家族の一員である愛犬たちに、安全で快適なドライブを提供してくれるペットアイテム。肉球のデザインなど、楽しい要素も織り込んだ新しい製品が今後も期待できそうだ。

なお、ホンダアクセスは4月1~4日に東京ビッグサイトで開催される第10回「インターペット~人とペットの豊かな暮らしフェア~」にてHonda Dogブースを出展する。試作品も展示される予定だ。


橋冨加奈:ホンダアクセス 開発部所属
大学で人間工学を専攻した後、2007年に本田技研工業入社。ホンダアクセスで「Honda Dog」ブランドの立ち上げ時、愛犬家として製品のテストに参加した。トイプードルとチャイニーズクレステットドッグのミックス「メイ」ちゃん(9歳)を「うちの娘」と可愛がる愛犬家。

Honda Dog ブランド沿革:
2001年Hondaの愛犬家社員がきっかけとなり「Travel Dog」 の名前で愛犬と一緒に行くドライブ情報に関するウェブサイトを立ち上げ
2005年愛犬家のための情報サイト「Honda Dog」をスタート。同時に、Honda純正愛犬用アクセサリー「Travel Dog」ブランドとしてペットシートマット等のペットアイテムを発売
2014年「Honda Dog」サイトがリニューアル。同時にペットアイテムもHonda Dogブランドに統一、リニューアルしたペットアイテムを発売。
2016年Honda純正愛犬用アクセサリー「Honda Dog」ラインアップ追加
2018年Honda純正愛犬用アクセサリー「Honda Dog」に新色を追加

Honda Dogの愛犬アクセサリーはこちら

(* 編集部注:道路交通法第55条に「車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない」とある。犬を膝に抱いた状態などでの運転は減点と反則金の対象となる)

《石川徹》

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