JR北海道は2月10日、例年1・2月に運行している釧網本線の『SL冬の湿原号』で運用している車両をリニューアルすると発表した。
『SL冬の湿原号』は2000年1月に運行を開始し、今シーズンもC11形蒸気機関車171号機(C11 171)が4両の客車を牽いて釧路~標茶間で運行されている。
しかし、C11 171は1940年の製造から80年以上、動態復元から20年以上が経過。一方の客車は、大半を占める14系が古いもので製造から50年近くが経過。1980年からは北海道向けの耐寒耐雪タイプに改造され、1981年2月から函館~札幌間の急行「ニセコ」で運用を開始したものの、それからでも40年が経過している。
また、カフェカーとして連結されているスハシ44 1は旧型タイプの客車で、こちらは1952年にスハフ44 2として誕生してから70年近くが経過している。
このような経緯から各車の老朽化が著しく進んでおり、JR北海道では「道内唯一のSL観光列車を守るため」として、C11 171の全般検査やカフェカーの内装リニューアル、14系客車の発電用に使用されているディーゼルエンジンの換装や台車部品の交換を行なうとしている。工事費は全体で4億円を見込んでいる。
これらを2021年度中に行ない、客車については2022年度中も継続して行なうとしているが、運行の中断はされない模様。