大正時代のイメージを受け継ぐ新駅舎…折尾駅がリニューアル 2021年1月2日

建設中の折尾駅新駅舎(2020年10月末時点)。
  • 建設中の折尾駅新駅舎(2020年10月末時点)。
  • 北九州市が公表していた折尾駅新駅舎のデザイン。旧東口駅舎のイメージが踏襲されている。
  • 駅舎内も旧東口駅舎のもの(左)をイメージした新駅舎(右)。
  • 折尾駅新駅舎では、旧東口駅舎のシンボル部材を一部補修し復元する。左は屋根上にある棟飾り、右は円形ベンチと化粧柱。
  • 日本初の立体交差駅(左)であったことを後世に伝える航空写真や、筑豊本線で使われていたレールと枕木(中)がレール跡に展示される折尾駅新駅舎。右はその設置位置。
  • 長年、折尾駅の象徴的存在だった旧東口駅舎。左が1934年、右が解体前の姿。
  • 折尾駅新駅舎の位置と、変化する動線。
  • 折尾駅新駅舎供用に伴なう線路切換え工事により、2021年1月1日深夜を中心にこれらの列車が運休する。

JR九州は11月18日、折尾駅(北九州市八幡西区)の新駅舎を2021年1月2日から供用開始すると発表した。

折尾駅は、鹿児島本線と「若松線」「福北ゆたか線」こと筑豊本線が交わる、北九州における鉄道の要衝のひとつで、鹿児島本線の前身である九州鉄道の駅として明治時代の1891年2月に開業。同年8月には筑豊本線の前身である筑豊興業鉄道(1894年から筑豊鉄道)の駅も開業しているが、1895年には両線が交わる位置に共同の現・折尾駅が開業。上を九州鉄道、下を筑豊鉄道が使用する日本初の立体交差駅となった。

しかし、こうした経緯から、駅周辺地域が鉄道により分断されることになったため、市街地の交通利便向上などを図るべく、北九州市により折尾駅の高架化を含む折尾地区総合整備事業が策定され、2004年度には都市計画が決定。2005年度にはJR九州と基本協定が締結され、事業着手された。

長年、折尾駅の顔であった東口駅舎は、後に西日本鉄道(西鉄)北九州線となる九州電気軌道の乗入れを受けて、大正時代の1916年に建設された木造2階建て駅舎だったが、この事業により2013年までに解体。2014~2019年度にかけては鹿児島本線や筑豊本線の線路切換えが段階的に行なわれ、駅の立体交差は2019年3月までに解消されている。

新駅舎は、解体された東口駅舎の姿を再現したものとなっており、現・北口の裏側にあたる鹿児島本線と筑豊本線の中間に位置する。供用開始後は、鹿児島本線と筑豊本線を結ぶ短絡線上にある鷹見口を除く、北口・東口・西口が閉鎖され、これらの切符売り場や改札口が新駅舎に集約されるほか、鹿児島本線用に4・5番ホームが新設される。

なお、新駅舎の供用開始に伴ない、2021年1月1日23時30分頃~1月2日4時50分頃には陣原(じんのはる)~遠賀川(おんががわ)間の線路切換え工事などが実施されるため、折尾駅を通過する列車は、1月1日が下り2本・上り6本、1月2日が上り2本全区間運休または区間運休する。これによるバス代行は実施されないが、1月1日には下り2本、1月2日には上下各1本の臨時列車が運行される。

今後は2021年度中に短絡線の線路切換えを経て全面高架化される予定で、2022年度には北口駅前広場の整備、2024年度には南口駅前広場の整備がそれぞれ完了する予定。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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