VWの680馬力EVレーサーをニコ・ロズベルグがテスト…ニュルで[動画]

2018年にパイクスピーク国際ヒルクライムで8分を切る新記録

2019年にはニュルブルクリンク北コースでEV最速記録

「F1でこれまでに経験したことのないようなパフォーマンス」

フォルクスワーゲン ID. R をテストしたニコ・ロズベルグ氏
  • フォルクスワーゲン ID. R をテストしたニコ・ロズベルグ氏
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フォルクスワーゲンは10月13日、2016年のF1チャンピオンのニコ・ロズベルグが、EVレーシングカーの『ID. R』(Volkswagen ID. R)をドイツ・ニュルブルクリンクでテストした、と発表した。

2018年にパイクスピーク国際ヒルクライムで8分を切る新記録

フォルクスワーゲンは2018年に、1987年以来、31年ぶりにパイクスピーク国際ヒルクライムにワークス体制で参戦した。そのために開発したのが、『ID. Rパイクスピーク』。同車には、モーターを2個搭載し、最大出力680hp、最大トルク66.3kgmを引き出す。カーボンファイバー製のボディは、車両重量が1100kg以下。軽量ボディと高性能モーターの組み合わせが、0~100km/h加速2.25秒の性能を可能にした。

ID. Rパイクスピークには、市販EV同様、リチウムイオンバッテリーを搭載する。バッテリーセルには非常に高い性能を求められた。電力密度は、高電圧を発生する際のシステムで重要な要素になるためだ。市販車とは異なり、モータースポーツでの技術目標は航続ではなく、パイクスピークの頂上を目指すために可能な限り最大の出力を発生することにあった。

必要とされる電気エネルギーの約20%は、パイクスピークのおよそ20kmの走行中に生み出される。ブレーキング時に発電機として作動する電気モーターが、制動エネルギーの一部を電気に変換して、バッテリーに供給する。

このID. Rパイクスピークがパイクスピーク2018の決勝レースにおいて、ロマン・デュマ選手のドライブにより、初めて8分を切る7分57秒148の新記録で優勝した。2013年にセバスチャン・ローブ選手がプジョー『208 T16 パイクスピーク』で打ち立てた8分13秒878のコースレコードを、16秒以上短縮した。また、2016年にリース・ミレン選手が打ち立てたEVによる最速記録の8分57秒118からも、1分近く短縮している。

2019年にはニュルブルクリンク北コースでEV最速記録

ID. Rパイクスピークの次なる挑戦が、ドイツ・ニュルブルクリンク北コースにおけるEV最速記録だ。そのために開発されたのがID. Rで、ID. Rパイクスピークの進化バージョンだ。ヒルクライムからサーキットへ、走行場所が変わるのに伴い、主にエアロダイナミクス性能を再チューニングした。パイクスピークでは、最大のダウンフォースを得ることに主眼を置いていた。

具体的には、平均車速180km/h以上、最高速270km/h以上に達するニュルブルクリンクに合わせて、F1マシンの「DRS」(抗力減少システム)を導入した新しい空力パッケージを開発した。さらに、電動パワートレインのエネルギー管理を最適化。2つの電気モーターの出力制御とブレーキ時のエネルギー回収の制御を見直した。

ID. Rが2019年6月、ドイツ・ニュルブルクリンク北コースにおいて、タイムアタックを実施した。再び、ロマン・デュマ選手のドライブにより、6分05秒336のラップタイムを計測。NIO EP9の6分45秒900を40秒以上短縮し、ID. Rがニュルブルクリンク最速EVの称号を獲得している。

「F1で経験したことのないようなパフォーマンス」

ドイツ・ニュルブルクリンクにおいて、このID. R に、2016年のF1チャンピオンのニコ・ロズベルグが試乗した。ロズベルグ氏はF1引退後、グリーンテックフェスティバルを設立した。EVに搭載可能な将来のテクノロジーを開発している企業に、多くの投資を行い、EVの普及を支援する活動に取り組んでいる。

ロズベルグの活動の一環として今回、ID. R のテストが実現した。テスト当日は、雨と風、気温が10度以下という悪コンディションにもかかわらず、圧倒的性能を備えたID.Rは、ロズベルグを笑顔にした。「雨の中でレーシングカーを運転したのは久しぶりだが、ID.Rは水を得た魚のように感じた。トラクション、加速、ダウンフォースと、F1でこれまでに経験したことのないようなパフォーマンスを発揮した」と、ロズベルグ氏は語った。

なお、フォルクスワーゲンモータースポーツは、ロズベルグ氏によるID. R のテストの様子を、公式サイトを通じて配信している。ロズベルグ氏の公式サイトでは、オンボード映像も見ることができる。

《森脇稔》

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