日産、内田社長「覚悟を持って」---2年連続巨額赤字と年間配当ゼロ[新聞ウォッチ]

日産自動車の四半期決算発表。中央が内田社長(7月28日)。
  • 日産自動車の四半期決算発表。中央が内田社長(7月28日)。
  • 日産自動車の四半期決算発表

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

俗に言う「座右の銘」とは、常に自分の心にとどめておいて、戒めや励ましにする言葉のことだが、日産自動車の内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)であれば、その言葉は「覚悟」ではないだろうか。

経営再建に取り組む日産自動車が発表した2021年3月期の連結決算見通しでは、最終利益が6700億円の赤字になる見込みだという。前期の6712億円の赤字に続いで2年連続の巨額赤字になる予想だ。

新型コロナウイルスの感染拡大で、世界的に自動車需要の回復が遅れることが主な要因だそうだ。2年連続の最終赤字となれば、経営危機で3年連続の赤字に陥った1998年3月期~2000年3月期以来であり、どん底状態の経営が20年前に逆戻りすることになる。また、年間配当はリーマン危機後以来、11年ぶりにゼロ(無配)としている。

きょうの各紙も日産の窮状を伝える記事が目立つ。このうち、読売は「販売減止まらず」とのタイトルで「電気自動車などの技術開発を着実に進められるかどうか、難局が続きそうだ」と伝えた。

朝日も「世界販売半減、構造改革も停滞」として、「日産は感染拡大の『第2波』の到来を織り込んでおらず、赤字額がさらにふくらむ可能性さえある」と指摘する。毎日も同様で「復活の道険しく」。産経は「見込めぬ需要回復、ゴーン時代『負の遺産』重く」。

また、日経は「復活の道筋見えず」との見出しで「過去の拡大路線が行き詰まり、業績が悪化していたところに新型コロナウイルスが追い打ちとなっている。本業で稼げず、開発投資などで現金流出は加速し、猶予は1年半との見方もでる。回復も遅れており、連合を組む仏ルノーへの発言力低下も避けられない」と報じた。

コロナの感染拡大で厳しい経営環境は日産に限らず各社とも条件は同じ。そこで問われるのはリーダーの力量だ。昨年末の就任以来、内田社長は「覚悟を持って~」という言葉を繰り返す。私利私欲や自己顕示よりも使命感が強いタイプの経営者とみられるが、無私の精神でこの危機を切り抜けられるかどうか、その覚悟が試されている。

2020年7月29日付

●日英新協定、EU製部品関税優遇 車など自国製扱い(読売・1面)

●日産赤字6700億円予想、今期(読売・1面)

●トヨタの子会社持ち株会社制に、自動運転技術開発(読売・8面)

●上半期交通死最少1357人、コロナで外出自粛影響(読売・25面)

●オフロード用の白バイ訓練公開、災害地域で活動(朝日・24面)

●日産復活の道険しく、今期も巨額赤字、コロナで下振れも(毎日・6面)

●キヤノン赤字転落、4~6月連結、四半期初88億円(毎日・6面)

●ホームドア設置進まず、東京・阿佐ヶ谷駅、マッサージ師転落死(毎日・25面)

●「ワーケーション」期待先行?(東京・3面)

●レンタカーやカーシェア大手、利用減新車導入二の足(日経・12面)

●トラック運賃一段安、工業品輸送鈍く(日経・18面)

●鉄道、感染防止策を模索、東京メトロ/京急(日経・37面)

《福田俊之》

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