走行中にワイヤレス給電可能、ロームのインホイールモーター…オートモーティブワールド2020

ローム(オートモーティブワールド2020)
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道路を走りながら、インホイールモータに直接給電する時代はくるか……。ロームは、日本精工やブリヂストン、「第3世代 走行中ワイヤレス給電インホイールモータ」をオートモーティブワールド2020でデモ展示。受電から駆動までをすべてタイヤのなかで回す技術は、世界初。

ロームブースに展示された「第3世代 走行中ワイヤレス給電インホイールモータ」は、東京大学大学院 新領域創成科学研究科、日本精工、ブリヂストン、ローム、東洋電機製造が共同で開発。

開発陣は、すべてのタイヤのなかに、EV駆動用モータ、インバータ、走行中ワイヤレス給電の受電回路をホイール内に格納するインホイールモータユニットを開発。この第3世代 走行中ワイヤレス給電インホイールモータでは、実用化にむけ、モータ性能、走行中給電性能、車両への搭載性を大幅に改善させた。

そのなかの駆動モータは第2世代(2017年)が軽自動車クラスの1輪あたり12kWだったのに対し、この第3世代では乗用車クラス 1輪あたり25kWを達成。

また、走行中ワイヤレス給電能力は、第2世代が1輪あたり10kW程度だったのに対し、第3世代は20kWにアップ。たとえば、この20kWクラスの走行中ワイヤレス給電システムを、信号機手前の限られた路面にのみ設置したスマートシティで走らせた場合、クルマを止めて充電することなく走行中に充電されることが明らかになり、「電気自動車の利便性が飛躍的に高まる」という。

ロームはこの走行中ワイヤレス給電インホイールモータのなかで、SiCパワーモジュールなどを提供。このトランスファーモールド型SiCパワーモジュールの特長は、世界最小の熱抵抗、超小型・軽量、高電力密度(15kW/cm3)など。熱抵抗は従来比38%減、最大ジャンクション温度の比較でも熱衝撃試験でほぼ上昇しないことが確認されている。

世界のEV市場は現在、バッテリの大量生産が迫られているなか、コバルトやリチウムといった必要な資源の入手が難しいという課題もある。こうしたEVのハードルを越えるべく、少ないバッテリ搭載量で効率的に走るるEVが求められている。そのひとつの答えが、走行中給電だ。

ロームブースでは、コックピット型車載デモ展示のなかで、機器コネクタの安全性・防塵性が保てるワイヤレス給電も紹介。ワイヤレス給電送信用ICなどを紹介していた。

ロームをはじめとした開発陣は今後、この第3世代 走行中ワイヤレス給電インホイールモータの実験と評価をすすめ、「実機を載せたクルマでの検証にむけて取り組んでいければ」とも話していた。

《レスポンス編集部》

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