1月22日から24日まで東京ビッグサイト開催されたオートモーティブワールド2025の会場一角に、人だかりができていた。人垣の内側にはNIO『ET5』を分解した主要部品がテーブルに並べられていた。展示の正体は同イベントの企画「中国最新EV『NIO ET5』分解展示」だ。
この企画はオートモーティブワールドを主催しているRX Japanによるものだが、車両の分解を行ったのは、Caresoftという米国に本社を置くエンジニアリング会社。その部品を持ち込み、ブース展示を担当したのが三洋貿易という商社となる。エリアには、ET5のフレームカットモデル、他にもBYDの『シーガル』(ドルフィンミニ)の車両が展示されていた。

Caresoftは車両を分解調査(リバースエンジニアリング)し、その諸元データ、3Dスキャンデータ、CTスキャンデータをデータベースとして販売する会社だ。三洋貿易は、このデータベースと利用アプリケーションを取り扱う商社ということになる。なお、三洋貿易はの自社ブースでは、「EverBlueDrive」というEVバッテリーの診断ソリューションも展示していた。これは、チャデモのプラグ形状をしたセンサーをEVに接続すると、BT接続されたスマホアプリにバッテリーの劣化状態がわかるというもの。
分解部品は、バッテリーパック、eアクスル、インバーター、BMSまわり、ヒートポンプ・冷却系と大きく分かれており、主要部品のケース、部材、基板、ケーブル・ハーネスなどが無造作に置かれている。電子基板など触れない部品もあるが、ハーネスやケース、筐体などは持ち上げて裏をみている人もいた。ドイツ人とおぼしき(ドイツ語話者)二人は、熱心にヒートポンプのマルチバルブシステム、樹脂配管を調べていた。ET5のラジエターが思ったより大きいのは驚いた。

インバーターやDCDCコンバーター、BMS制御基板は、高圧半導体の部品配置や実装方法などを直接見ることができる。バッテリーコーナーは、さすがにセルパック本体はなかったが、パックのフレーム、セルどうしをつなぐコンタクトプレートなどを見ることができる。ケースや筐体は綺麗に分解されているが、バッテリーパックを構成するプレートは波打っていた。無理やり切断したような跡はなかったが、物理的に引き剥がした部品だ。
ボディフレームはカットモデルになっているので、メンバーやフレームの断面、構造がわかるようになっている。
