どこにお願いするのが正解? 「ぶつからないクルマ」の修理…BMW編

近年発売されているBMWの各モデルには、フロント&リアバンパーに重要なレーダー・センサーが設置されている
  • 近年発売されているBMWの各モデルには、フロント&リアバンパーに重要なレーダー・センサーが設置されている
  • 2025年には、高速道路でレベル4の自動運転が実現?
  • 高度なテクノロジーが組み込まれたBMWの車両は、アフターケア(メンテナンス・修理)の体制が構築されている
  • セミナー会場(BMW Group アカデミー幕張)には、ボディの骨組みがあり、磁石を使って素材の違いを確認できた
  • センサーは、バンパーの内側にも設置されている
  • セーフティ・システムが正しく動作するかチェックするには、専用の調整スペシャルツールが必要
日本政府は、2025年に高速道路で自動運転レベル4を実現すべくシナリオ(官民 ITS 構想・ロードマップ2019)を発表しており、取り組みは進行している。

2025年には、高速道路でレベル4の自動運転が実現?


◆待ったなし! 進化は止まらない

近年の新型車には、自動ブレーキ機能をはじめとする、安全運転支援システムが搭載され「ぶつからないクルマ」という言葉が使われるようになった。

2019年9月には、自動運転レベル2(部分的な運転の自動化)に相当する技術を実現した日産「新型スカイライン」が発売予定だが、輸入車メーカーの動きはもっと速い。Audiは、2017年にレベル3搭載の「A8」を発表。BMWは、2018年にレベル5搭載のプロトタイプを公開し、専用のスマホアプリを使った運転操作デモを行っている。

自動車メーカーの熾烈な技術開発競争は進化につながるが「作ったあと」こそ重要だ。高度なテクノロジーが組み込まれたクルマの点検や調整、修理は誰がどのように行うのか?

各メーカーの正規ディーラー工場か、一般の自動車整備・修理工場のどちからを選ぶことになるが『本当に信頼できるプロショップ』を見極めるのは難しい。契約している損害保険会社から紹介された修理工場なら安心だと思っても良いのだろうか…。


◆BMW 新型7シリーズの内側

2019年7月下旬。BMWグループジャパンは、自社新型車の修理の難しさを損害保険会社に知ってもらうためにセミナーを実施。幸運にもその場に参加する機会を得た。

新型7シリーズに採用されたボディ構造や、多様化する素材(カーボン/アルミニウム/超高張力鋼/多層鋼/その他のスチール)。高度なセーフティ・システムの動作に欠かせないセンサーの設置位置に加え、修理後の調整に必要なツールについても、実車や資料を用いて説明が行われた。

セミナー会場(BMW Group アカデミー幕張)には、ボディの骨組みがあり、磁石を使って素材の違いを確認できた

センサーは、バンパーの内側にも設置されている

セーフティ・システムが正しく動作するかチェックするには、専用の調整スペシャルツールが必要



◆見た目だけの修理はNG! 不具合に繋がる可能性あり

セミナーで、特に強調されたのは以下の3点だった。

1:BMWでトレーニングを受け、修理マニュアルに記載された手順を必ず守る
2:許可されていない修理ステップやツールの使用は車両構造に悪影響を及ぼす可能性があり、修理後に事故を起こした際、想定外の大事故を招く恐れがある
3:BMW正規ディーラー工場かBMW認定鈑金塗装工場に修理を依頼してほしい

各モデルのフロント&リアバンパー内部には、セーフティ・システムに関わる重要なレーダー・センサーが内蔵されており、見た目だけの誤った修理を行うと本来の機能を発揮できなくなる可能性がある。ドライバーにもその理解を深めてもらうために「バンパー修理ガイドライン」が作成され、BMWオーナー専用ページからダウンロードできる。

また、BMW正規ディーラーと連携する認定鈑金塗装工場のリストや検索システムも用意。BMW認定鈑金塗装工場は、ドイツを中心に世界的に知られる第三者検査機関 テュフ ラインランドの日本法人による監査もクリアしている。

高度なテクノロジーが組み込まれたBMWの車両は、アフターケア(メンテナンス・修理)の体制が構築されている
見た目だけのいい加減な粗悪修理は、国内でも事例がある。他人事とは思わず、大切な愛車の点検や修理を安心してお願いできるプロショップの見極めは、ドライバーの責任といえるだろう。まずは「ぶつからないクルマ」の修理がとても難しく、国内にあるすべての修理工場が対応できるとは限らない現状があることを知ることからはじめてほしい。
《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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