誤った国土地理院の地図を過信…九州新幹線西九州ルートの施工ミス

トンネル内でボーリング機材が接触し、あわや大惨事となるところだった特急『かもめ』。
  • トンネル内でボーリング機材が接触し、あわや大惨事となるところだった特急『かもめ』。
  • 試掘ボーリングの位置。鉄道・運輸機構では、長崎市の都市計画図を基に発注用の図面を作成したが、長崎トンネルの位置については、国土地理院の地図を基にしていたという。

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は7月24日、九州新幹線西九州ルートの施工ミスで発生した長崎本線の列車支障事故についての原因と対策を明らかにした。

この事故は、7月11日10時25分頃に長崎本線浦上~現川(うつつがわ)間の長崎トンネル内で発生した。当時、同線と並行する九州新幹線西九州ルートの工事に関連して、鉄道・運輸機構が発注していた渇水対策用井戸の試掘ボーリングが行なわれていたが、機材の一部がトンネル上部を貫通して、走行していた特急『かもめ16号』に接触した。

鉄道・運輸機構では「一歩間違えば大事故につながる可能性もあった」として原因を調査したが、その結果、長崎トンネルについては、国土地理院の地図を基に発注用の図面に記載したものの、基の地図が実際の位置と異なっていたことが判明。

図面では、ボーリングの施工現場と長崎トンネルの間が80mほど離れていたことから、現場での確認をせずに影響はないものと判断し、工事着手前に施設管理者のJR九州への確認を怠っていたことも一因とした。

これらの点に鑑み、施工に用いる平面図については、今後、鉄道・運輸機構が作成した航空測量図、国土地理院図、都市計画図など、鉄道・運輸機構が保有するあらゆる図面を照合して作成。さらに平面図に記載されている道路、トンネルなどの地下構造物などについては、施工箇所からの距離に拘わらず「施設管理者へのヒアリングや現地立会により、地下構造物等の位置の確認を行った上で、作業を実施します」としている。

とくに地下構造物に近接する作業については、施設管理者と必ず協議し「慎重な作業を確実に実施します」としている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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