2029年中の実現が望まれる北海道新幹線札幌延伸に暗雲…札幌のトンネル掘削に半年の遅れ

札幌市の秋元克広市長は6月28日に開催された定例会見で、北海道新幹線札幌延伸の早期実現について改めて言及した。

札幌市は2014年、冬季オリンピック・パラリンピックの2026年招致を表明していたが、2018年、2022年とアジアでの開催が連続していること、北海道新幹線札幌延伸を機に開催可能な2030年招致が望ましいという声が経済界などで高まっていたことなどから、2030年の招致を目指す方針に変更した。

冬季オリンピックの開催地は、開催年の7年前に決定することがオリンピック憲章に定められていることから、2023年には招致の結果が明らかになる。

現時点で北海道新幹線札幌開業は2030年度末とされているが、招致が実現した場合、開催は2030年2~3月となるため、札幌延伸は終了後ということになる。

これについて秋元市長は「オリンピック・パラリンピックの開催と、札幌まで、ニセコエリアと30分以内でつながっているということが、この北海道のブランドを高めていくにはやはり必要不可欠だというふうに考えれば」と前置きした上で、「2029年中には開業していなければいけない」と述べ、前倒しへ向けた最大限の努力を行なう必要性を改めて示した。

しかし、北海道新幹線札幌延伸については、トンネル掘削時に発生する有害物質を含む建設残土の受入れ地がなかなか決まらないという問題がある。

とくに新小樽~札幌間では、約26.2kmにおよぶ札樽(さっそん)トンネルのうち、建設主体である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道運輸機構)が2018年末に着工したいとしていた、札幌市手稲区内の星置(ほしおき)、富丘工区の合計9km程度が、現在も未着工となっているという。

2029年中の開業となれば、建設残土問題は喫緊の課題となるが、これに対して秋元市長は「今あるデータといいますか、地盤であるとか環境の推移の状況であるとか、そういう既存のデータで、一定程度、候補地を絞る作業をしております」と述べた上で、「さらに詳細な現地調査をした上で対策を決めていかなければいけませんので、まずは、事前調査に入るために、地域の方に説明会をさせていただく必要があります。その日程等の調整を、今、行っているという状況です」と説明。建設残土問題の解決へ向けての取組みは、依然、道半ばという苦しい状況が続いているようだ。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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