NEXCO中日本、補助器具「点検楽っく」を開発 コンクリート打音検査での疲労軽減

点検楽っく
  • 点検楽っく
  • 点検楽っく
  • 打音による点検状況(トンネル内)
  • 打音による点検状況(ボックスカルバート内)
  • 打音ハンマー(全長約30cm)
  • 点検楽っくの支持構造
  • 高さ調節機能
  • サポート機能

NEXCO中日本のグループ会社である中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋は5月29日、コンクリート構造物の打音による点検時に点検技術者の腕の疲労を軽減する補助器具「点検楽(てんけんら)っく」をニッカリと共同開発したと発表した。

NEXCO中日本では、コンクリートのはく離などが発生する恐れのある範囲を対象として、打音によるコンクリート構造物の点検を実施している。打音による点検では、点検技術者が重さ230g程度の点検ハンマーを用いて腕を高い位置に保った状態で上を向いて作業を続けることが多く、その作業は1日6時間におよぶこともある。このため腕に疲労が蓄積し、5分間に1回程度は腕を休める必要があり、作業効率が上がらないのが現状だ。

新製品「点検楽っく」は、打音作業時の腕の重さを「アームサポート」「高さ保持アーム」「補助アーム」を通じて腰ベルトで支える構造となっている。また、アームサポートの高さ調節が可能なため、点検技術者の動作に従って常に最適な腕の高さにすることができる。打音作業だけでなく、構造物の変状を発見した時には、チョークによる構造物へのマーキング、写真撮影、メモ帳への記録が必要となるが、新製品は高さ保持アームを外側へずらすことで容易にサポート機能を解除可能。記録作業も容易に行うことができる。

同社に所属する点検技術者が試行的に使用したところ、「腕の拘束が少なく、普段の点検動作を大きく変更することなく腕を支えてくれることから、疲労軽減につながった」など、7割の点検技術者から高評価を得た。特に、連続した上向きの打音作業が必要なトンネル内点検では、腕を休めることなく連続で打音作業を実施でき、作業効率の向上が期待できる。

今後、中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋では、実施する点検業務の中で、新製品を本格的に活用していく予定。併せて、他社でも活用できるよう、販売体制を整えていく。

《纐纈敏也@DAYS》

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