日産『GT-R』シリーズの頂点に位置するハイパフォーマンスモデルがGT-R NISMOだ。2020年モデルでは、モータースポーツから得られた最新ノウハウを導入し、さらなる性能アップを目指している。
◆カーボン部品でさらなる軽量化。エアロダイナミクス性能も向上
2020年モデルのエクステリアには、GT-R NISMOのGT3レーシングカーと共通イメージのフロントフェンダーエアダクトを採用した。このエアダクトは、エンジンルームからの熱を逃がすとともに、エンジンルーム内の内圧を下げる。また、エアダクトの排出風によってフェンダー外表面の流速を下げることにより、表面リフトを減少させることによって、フロントタイヤのダウンフォースを増やす効果を発揮するという。

車両の軽量化、空力性能の向上に加えて、9本スポークの軽量&高剛性な鍛造アルミホイールを採用した。新開発のハイグリップゴムを使用すると同時に、走行中の接地面積を最大化したハイグリップタイヤも新開発している。

◆新開発のカーボンセラミックブレーキを装備。電子制御サスペンションのセッティングも変更
2020年モデルでは、新開発のカーボンセラミックブレーキを装備した。このカーボンセラミックブレーキは、世界最大級のサイズ。世界トップクラスの制動性能やサーキットでの高Gでの効きの良さと、一般道などでの低Gでのコントロール性の両立を目指す。ブレーキローターの大径化に合わせて、ピストン配列を最適化した専用の高剛性キャリパーと、新しい摩擦材のブレーキパッドを開発。高負荷状況だけでなく、日常的な使用で優れた制動力とコントロール性の両立を狙う。
なお、この新開発のカーボンセラミックブレーキと、カーボン製の部品やレカロ製シートなどを合わせて、従来比でおよそ30kgの軽量化を成し遂げている。
2020年モデルでは、電子制御サスペンションのセッティングも変更した。軽量化したブレーキとの相乗効果で、ばね下重量を大幅に削減する。これによって、路面をより確実にとらえ、路面の凹凸に合わせてタイヤのグリップを最大限使用することが可能に。高速域ではステアリングの修正が最小減に抑えられ、コーナリング時の旋回Gが向上し、より速いコーナリングを実現しているという。

◆3.8リットルV6ツインターボに新開発ターボ装着。最大出力は600hp
さらに2020年モデルには、2018年のGT3レーシングカーから使用されている新開発のターボチャージャーを装着する。NISMO用の新たなタービンブレードは、枚数を減らすとともに、最新の流体・応力解析を用いて、形状を見直した。これにより、出力をダウンさせることなく、レスポンスをおよそ20%向上。コーナー立ち上がり時など、アクセルを踏み込んだ際の立ち上がり加速性能を高めているという。
GT-R NISMOの2020年モデルには、3.8リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンを継続搭載する。米国仕様の場合、最大出力600hp、最大トルク66.5kgmを獲得している。