【SUPER GT 開幕戦】GT-RがGT500クラスの予選を席巻、ポールはニスモの松田次生&クインタレッリ…GT300首位はARTA NSX GT3

GT500クラスのポールを獲得した#23 GT-R。
  • GT500クラスのポールを獲得した#23 GT-R。
  • GT500クラスのポールを獲得した松田(左)とクインタレッリ。
  • GT300クラスのポールは#55 NSX GT3がゲット。
  • GT300クラスのポールを獲得した高木(左)と福住。
  • 両クラスのポール獲得者たち。左からGT300の福住、高木、GT500のクインタレッリ、松田。
  • GT500クラス予選2位の#12 GT-R。
  • GT500クラス予選3位の#1 NSX。
  • GT500クラス予選4位の#17 NSX。

13日、SUPER GTシリーズ開幕戦の公式予選が岡山国際サーキットであり、GT500クラスは日産が1-2で最前列を占拠、ニスモ組GT-Rの松田次生&ロニー・クインタレッリがポールポジションを獲得した。GT300クラスのポールはARTA NSX GT3の高木真一&福住仁嶺。

岡山国際サーキットで2019年のSUPER GTが幕を開けた。予選日の路面は一貫してドライ。予選は今季もクラス別2段階ノックアウト方式で、午後2時45分に開始された。GT500クラスは15台、GT300クラスは29台が臨戦。コンビを組むドライバーのうちの一方がQ1を担当し、そこを突破した場合はもうひとりがQ2を走る決まりである。

本当の戦いの火蓋が切られるまで勢力図が読めないといわれていた今季のGT500クラス。その開幕戦の予選では、昨季後半は苦戦状況に陥っていた日産GT-R勢の大反撃が展開されることとなった。Q1では1-2-3-6で参戦4車がすべてQ2進出を決め、Q2でも1-2を占めて見せたのである。

ポール獲得は旗艦ともいえるニスモチーム、2014&15年王者コンビの#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/タイヤはミシュラン=MI)が獲得した。松田がQ1を突破し、Q2ではクインタレッリがクラス新レコードとなる1分16秒602を記録してポールゲットを決めている。

17年規定GT500マシンの使用最終年にあたる今年、レギュレーション的にマシンを大きくいじることはできないが、そのなかでも陣営が懸命の開発努力をしてきたことで「クルマ、エンジン、タイヤ、すべてが良くなっており、その成果が出た」との旨を両選手はポール会見で語った。クインタレッリは「去年はどこに行ってもアンダーステアに悩まされた」といい、それが今回はツイスティな岡山のコースでも「朝の練習の途中でちょっとセットアップを変えたら、よく曲がってくれるようになった」と好感触だ。

決勝は雨絡みの予報もあるが、「雨でもタイヤはいい」とクインタレッリ。そして松田は、「もちろんチームみんなで優勝を目指しますが、まずはリタイアしないでしっかりポイントを獲れるよう頑張ります」と、シーズンを見越した決意も語る。経験豊富な日産のエースコンビが復権に向けてどんな今季初戦を戦うのか、開幕戦のレースウイークは興味深い展開となってきた。

予選2位は#12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹&J. ロシター/ブリヂストン=BS)。3~5位にはホンダ勢が#1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴&J. バトン/BS)、#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大&B.バゲット/BS)、#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀&伊沢拓也/BS)の順で続いた。

予選6位は#24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠&J. マーデンボロー/ヨコハマ=YH)。レクサス勢では唯一Q2に進出した#37 KeePer TOM'S LC500(平川亮&N. キャシディ/BS)の7位が予選最上位だった。

成績連動のウエイトハンデが関係しない開幕戦の予選とはいえ、低い温度面と決勝雨予報やタイヤ選択の絡み方がどう作用したかなど、現状の速さの勢力図を占いきれない面も残りはするが、まずは日産が予選先勝、それにホンダが続き、レクサスは苦境に直面する格好となった。天候微妙そうな明日の決勝でこの構図がどう変化するのか、あるいは変化しないのか、最大の注目点となる。

GT300クラスは今回、コース距離の短さに起因するコース上の混雑を緩和する目的で予選Q1が2組分割の実施となり、各組上位8台がQ2に進出した(今季からGT300のQ2進出枠は16台に拡大されている)。そして予選バトルを制したのは、#55 ARTA NSX GT3(高木真一&福住仁嶺/BS)だった。

今季からマシンをNSX GT3にスイッチし、大ベテラン高木の新たなパートナーにホンダの若手気鋭である福住を起用したARTAのGT300チーム。Q1のB組を高木がトップで突破し、Q2では新人の福住がクラス新レコードとなる1分24秒889をマークしてポール獲得を決めた。

「チームが(短い時間のなかで)岡山を走りやすいクルマに仕上げてくれました。クルマが決まっていました」と高木が言えば、福住も「クルマ(セットアップ)が的中したと思います」。ともに良好な感触を語り、早くも高次元でのまとまりの良さを感じさせる。決勝に向けては雨でのニューマシンの経験値不足という不安はあるようだが、そこもチーム一丸の姿勢で乗り切る構え。福住はデビューウインをあげられるか。

GT300クラスの予選2~6位は以下の通り。トップ6はGT3規定マシンが3台、マザーシャシー(MC)使用車が3台という内訳になっている。またタイヤの面ではブリヂストン勢がトップ4を占めた。

2位 #96 K-tunes RC F GT3(新田守男&阪口晴南/BS)
3位 #52 埼玉トヨペットGB マークX MC(脇阪薫一&吉田広樹/BS)
4位 #65 LEON PYRAMID AMG(黒澤治樹&蒲生尚弥/BS)
5位 #25 HOPPY 86 MC(松井孝允&佐藤公哉/YH)
6位 #5 ADVICS マッハ車検 MC86 マッハ号(坂口夏月&平木湧也/YH)

決勝レースは明日(14日)の午後2時30分開始予定。82周、約300kmの戦いとなる。天候微妙という要素をはらみつつ、激戦必至のオープニングゲームとなりそうだ。

《遠藤俊幸》

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