日産は「ゴーン体制」決別、1万円など紙幣は「肖像画」刷新へ[新聞ウォッチ]

日産自動車の株主総会(4月8日)
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気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ……

「日産、ゴーン体制決別」。春は出会いと別れの季節といわれるが、日産自動車が臨時株主総会を開き、会社法違反(特別背任)の疑いで再逮捕された前会長のカルロス・ゴーン容疑者と前代表取締役グレゴリー・ケリー被告を取締役から解き、筆頭株主である仏自動車大手ルノーのジャンドミニク・スナール会長を新たに選任する議案を可決。20年にわたり君臨したゴーン前会長と完全に決別した。

きょうの朝日が「日産『ゴーンの20年』に幕」、産経が「日産、ゴーン体制決別」と1面トップ、読売や毎日、日経も1面や経済面などで大きく報じているが、「日産『ゴーン後』多難」(朝日)や「日産、見えぬ『ゴーン後』」(日経)などと、新体制づくりを急ぐものの、行く手には課題が山積だと伝えている。

「決別」といえば、ホンダは、トルコでの自動車生産を2021年中に終了すると発表。工場を閉鎖し、従業員約1100人に再就職支援などを行う方針という。ホンダは2月、英国での四輪車生産から撤退し、トルコでも21年に『シビックセダン』の生産を終了すると発表していた。工場閉鎖は明らかにしていなかったが、シビックの生産終了によりトルコでの自動車生産を終えることになる。

そして「決別」は自動車メーカーの話題ばかりではない。政府が数年後をめどに、1万円などの紙幣の肖像画を変える準備に入ったという。きょうの毎日が1面トップで特報しているが、肖像画の変更は1万円札で聖徳太子から福沢諭吉になった2004年以来のことだそうだ。

記事によると、その1万円札は、第一国立銀行や東京証券取引所など多くの企業を設立、経営した実業家の渋沢栄一、樋口一葉の5000円札は津田塾大学の創始者の津田梅子、野口英世の1000円札は「近代日本医学の父」として知られ、ペスト菌を発見するなど医学の発展に貢献した北里柴三郎の肖像画を使用することを検討しているという。

新札への切り替えはニセ札の偽造防止にも効果的だが、個人預金資産約1600兆円のうちの約43兆円ともいわれる自宅の金庫などに置いて塩漬け状態の「タンス預金」を流通させる狙いもあるようだ。
日産自動車の株主総会(4月8日)日産自動車の株主総会(4月8日)
2019年4月9日付

●日産「ゴーン統治」決別、臨時総会、取締役から解任(読売・1面)

●ホンダ、トルコ工場閉鎖発表(読売・9面)

●「機密費別ポケットへ」オマーン側幹部、ゴーン被告口座か(読売・37面)

●ゴーン前会長の映像きょう公開、再逮捕直前に撮影(朝日・27面)

●紙幣刷新へ、04年以来政府準備(毎日・1面)

●社説・ゴーン体制後の日産、信頼の回復につながるか(毎日・8面)

●3地域景気判断下げ、日銀・さくらリポート(産経・13面)

●トヨタなど34社参加、先進交通サービス地方で実証(産経・13面)

●IHI不正1.3万件超、都内など3工場、製造工程でも7138件(東京・6面)

●「合意なき離脱」で円高も、堅調ポンドに急落リスク(日経・17面)

《福田俊之》

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