あきれたゴーン流高額報酬隠し「社員の労働意欲を考慮」[新聞ウォッチ]

ゴーン容疑者
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  • マツダ3発表(ロサンゼルスモーターショー2018)

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2018年11月29日付

●入管法参院審議入り、首相、早期成立求める(読売・1面)

●報酬合意文秘書室で秘匿 ゴーン前会長取締役会に諮らず(朝日・1面)

●「従業員のやる気考慮」ゴーン前会長、容疑否認(朝日・1面)

●自動車税恒久減税へ、政府・与党調整、エコカー減税は縮小(朝日・1面)

●GMリストラにトランプ氏、補助金全廃検討FRBにも怒り(朝日・9面)

●長期勾留海外から批判、「ゴーン前会長の人権配慮を」レバノン側(朝日・39面)

●日産、提携維持確認へ、きょう3社連合会合(毎日・7面)

●「道の駅」周辺ホテル展開(毎日・7面)

●退任後報酬覚書に署名、ゴーン容疑者、本人確認過少記載計90億円(産経・1面)

●「マツダ3」新型公開、日本美表現。燃費向上(産経・12面)

●ゴーン流車づくりの功罪(東京・28面)

●BMW、米で新工場検討、エンジン、新NAFTAにらむ(日経・10面)

●インド新車販売ブレーキ。ノンバンク信用危機響く(日経・13面)

●トヨタのバン事業、トヨタ車体に移管(日経・16面)

●ロス自動車ショー、米新興、小型EVトラック(日経・17面)

●ガソリン2円下落、店頭平均153.9円(日経・24面)

ひとくちコメント

まるで“日刊ゴーン通信”と呼んだほうがよさそうだが、きょうの各紙も日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者による役員報酬の過少記載事件関連のニュースが際立つ。

朝日と産経が1面のトップで掲載。このうち、朝日は有価証券報告書に記載しなかった役員報酬について、約50億円を退任後に受け取ることで日産と合意した文書が、秘書室で極秘に保管されていたことがわかったという。東京地検特捜部は、文書作成に直接関与した秘書室幹部と司法取引し、将来の支払いを確定させた文書だという証言を得た模様だとも伝えている。

また、産経は、ゴーン容疑者が、退任後に過少記載分の報酬を受け取ることを記した覚書にサインしていたことが分かったと取り上げている。東京地検特捜部はこの覚書を入手、ゴーン容疑者が過少記載分を報酬と認識していたことを示す重要な証拠とみているとしている。一方、ゴーン容疑者は覚書の存在を認めた上で「サインはしていない」とし、容疑を否認しているという。

また、毎日は社会面のトップ記事で「『報酬隠し』リーマン動機、退任後10億円『社員の意欲考慮』」と報じている。同様の記事を朝日なども取り上げているが、約20億円の報酬のうち毎年開示するのは約10億円にとどめ、差額の約10億円を退任後に受け取ることにしたとされる点については、「(高額報酬だと思われると)従業員のモチベーションが落ちると思った」と話しているそうだ。

ゴーン容疑者の呆れた金銭感覚がよく伝わる供述だが、低い賃金で頑張っている従業員を気遣う気持ちで、高額報酬を減らしてその減額分を従業員にも振り分けるぐらいの力量があれば、こんな悲惨な目にはならなかったことだろう。

“社畜”同然の現場の実態はきょうの産経が社会面で「ゴーン改革 痛み押しつけ」とのタイトルで詳しく取り上げている。

《福田俊之》

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