鉄道総研がバラスト軌道の沈下を抑える新工法…線路保守のコストを削減

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最初に道床をつき固めるタイタンパーを使って枕木の下に反応促進剤を注入
  • 最初に道床をつき固めるタイタンパーを使って枕木の下に反応促進剤を注入
  • 次に生分解性ポリマーを散布し、補充用のバラストを投入した後、タイタンパーでつき固めると、数分で生分解性ポリマーの硬化が始まり、バラストの細粒分が固結し、強度が改善される。
  • 生分解性ポリマーを使った施工状況。
  • 施工前はバラストの細粒化で噴泥が発生し、3カ月で20mm沈下していた。
  • 施工後は2年経過しても10mm程度の沈下に留まっているという。写真の現場では年2回行なっていたつき固め作業が2年間は不要になったという。
公益財団法人鉄道総合技術研究所(鉄道総研)は9月13日、バラスト軌道の沈下を抑制する、低コストな安定処理工法を開発したと発表した。

軌道の路盤と枕木の間には「道床」があり、そこには「バラスト」と呼ばれる砂利が使われているが、これは時間が経過すると細粒化し、それにつれて道床が沈下する現象が発生する。

その場合、抜本的な修復にはバラストを交換する方法があるが、コストが高く、輸送量が少ない路線などでは採算性が悪いというデメリットがあった。

そこで鉄道総研では、主成分に地盤改良剤として使用されている珪酸ソーダを含む反応促進剤と、環境に優しいプラスチックと言われる「生分解性ポリマー」を使ってバラストの細粒部分を固結化し安定させる新工法を開発した。

この工法は、つき固め作業に使用するマルチプルタイタンパーを利用することができ、バラストへ処理すると1時間程度で列車の走行が可能になるという。

鉄道総研ではこの工法を通常のつき固め作業と併用することで「沈下を抑制して保守の周期を延伸し、維持管理コストを低減することができます」としている。
《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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