地震発生から1秒で警報…新幹線の警戒「空振り」を9割近くまで減少

新幹線 (AC)
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  • JR各社の新幹線で導入されている早期警報地震計の概要。各検知点と中継サーバーで相互にやりとりを行ない、指令所などの監視システムに情報を表示する。
  • 赤い気象庁の警報出力範囲と早期地震警報アルゴリズムの警報出力範囲が重なる部分が「列車を止めるべき領域に警報を出した」ものとされ、その部分が多いほど「空振り率」が低く正解率が高くなる。新アルゴリズムではその点の改良を加えている。

公益財団法人鉄道総合技術研究所(鉄道総研)は2月18日、新幹線における地震検知システム上の早期警報地震計向けに、警報時間を短縮するなどの改良を加えた新アルゴリズムを開発したことを明らかにした。

JR各社で運行されている新幹線には、地震発生を即時に検知して、列車に警報を発する「早期地震防災システム」が導入されている。現行の地震計のアルゴリズムでは「地震諸元」と呼ばれる震央距離や震央方位、マグニチュードの推定に、同時進行で最短2秒かかっていた。

しかし新しいアルゴリズムでは、推定の精度と即時性、ノイズ識別の性能を向上させることで最短1秒に短縮。同時に地震諸元の推定精度が向上したことで、適切な警報を発する面積が6%程度向上。いわゆる「空振り」と言われる不要な警報を発した面積が87%程度減少するとしている。

この新しいアルゴリズムを搭載した地震計は、2018年度中にJR各社の新幹線早期地震防災システムに導入される予定。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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