ダイハツ ミラトコット は安全性も上級車並み

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新型軽自動車ミラトコット。ミラココアの後継モデルだが、実質的には全くコンセプトの異なるクルマとして登場した。写真はG“SA III”
  • 新型軽自動車ミラトコット。ミラココアの後継モデルだが、実質的には全くコンセプトの異なるクルマとして登場した。写真はG“SA III”
  • スクエアなデザインは実用性一辺倒の印象を受けるが、飾りっ気のないシンプルなデザインは、長く使っていても飽きが来ないことを狙ったという
  • 燃費性能は29.8km/リッター(FF車・JC08モード)と決して燃費重視とはせず、実用性を狙ったトルクバンドの設定となっている
  • 「ミラ ココア」にも似たすっきりとしたスクエアなインテリアは、前方視界の向上に役立っている
  • 上から見下ろすようにクルマと周囲の様子をナビ画面に映すパノラマモニターに対応。表示は必要に応じて6機能に切り換えられる
  • 軽で初めて計6つのエアバッグ(デュアルエアバッグとサイドエアバッグ&SRS カーテンシールドエアバッグ)を全車に標準装備した
  • シートは座面を暗めにして汚れを目立たなくした。最上級グレード「G“SA III”」のフロントシートには運転席、助手席ともにシートヒーターが装備される
  • リアシートは一体可倒式だが、ヘッドレストは標準装備。シートベルトにはプリテンショナー機能が軽自動車で初めて装備された

気負うことなく軽自動車らしい“素”の魅力を具現化したクルマ、それがダイハツの新型軽乗用車『ミラトコット』だ。外観から内装に至るまで必要以上に着飾ることもなく、安全性にも徹底してこだわる。

賛否両論ありそうなのがトコットの外観だ。今までなら、小さな軽自動車だからこそ存在感を重視してきたはず。「ディーラーへの説明会を開く前に配ったチラシでは、カッコ悪いと総スカン食らったんですよ」と話すのはチーフエンジニアの中島雅之氏だ。

ミラトコットのデザインは、“女子社員が直接関わった”結果生み出されたものなのだという。『ミラココア』でも女子社員が関わっていたが、それは“意見を取り入れたレベル”。ミラトコットで採用されたコンセプトは、それまでの「女性=可愛い物好き」という男中心の発想からは大きく離れたもの。“無印良品”のような、長く使っても飽きが来ないシンプルなデザイン、それが女性開発陣が選んだミラトコットのデザインだった。

このデザインが受け入れられるか。中島氏は答えが出るまでドキドキものだったらしいが、説明会で実車を見せると状況は一変。「実車を前にすると否定的な声はなくなり、写真で見たより全然イイとの声が多かったんで、ホッとしました」(中島氏)。

女性開発陣は内装にも女性目線を徹底している。水平基調のデザインはスクエアな外観に合わせたもので、これは運転していて車両感覚が掴みやすくなる効果をもたらした。Aピラーも立ち気味とすることで前方視界を確保し、パノラマモニターやコーナーセンサーによって周囲の状況も把握しやすくしている。シートは座面に汚れが目立たないよう暗めの配色とし、これが同時に落ち着いたカラーリングももたらした。上級グレード車にはUSB端子を2口を装備し、シートヒーターをフロント2席に装備したことも見逃せない。

女性陣のこだわりは安全性にも反映された。その結果が6月の発表時点で「軽乗用車では初となるデュアルエアバッグとサイドエアバッグ&SRS カーテンシールド・エアバッグ(前後席)への全車標準へとつながった」(中島氏)という。

安全へのこだわりは、それだけではない。後席のシートベルトには、普通乗用車でも上級車にならないと装備されない、プリテンショナー式3点式ELRシートベルトを装備。もちろん、シートベルト閉め忘れの警告も全席で行う。当然ながら、安全装備として「スマートアシストIII」装備車を用意。衝突軽減ブレーキだけでなく誤発進抑制は前方/後方のいずれに対しても制御し、さらにロー/ハイを自動で切り替えるオートハイビーム機構も装備される。

自分の身を守ることは結果として周囲への安全にもつながる。そんな女性開発陣の意識がこれら一連の装備へとつながったわけだ。

《会田肇》

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