原因は鳥によるショートか!?…停電で東北新幹線が6時間近く止まる

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東北新幹線(資料画像)
  • 東北新幹線(資料画像)
  • JR東日本が発表した問題のパンタグラフ付近の「地洛」の状況。屋根やパンタグラフ下部の碍子、パンタグラフカバーといった部分のいたるところに地洛の跡が見られ、碍子部分には血痕のようなものも見られる。

JR東日本は6月18日、東北新幹線で発生した停電事故の概要を明らかにした。

6月17日13時56分頃、仙台~古川間を走行中の新函館北斗行き・秋田行き『はやぶさ21号・こまち21号』で一時的な停電が発生。停電はすぐに復旧したものの、同列車は非常ブレーキが作動したため停車した状態が続き、車両点検を実施。その間、東北新幹線は全線で運転を見合わせた。

停車中は15時16分から17時06分まで、遅れていた上りの『はやぶさ22号』を横付けし、『はやぶさ21号・こまち21号』の乗客を仙台へ送る救済を行なったという。

停電発生から5時間17分後の19時13分には、応急処置の上、『はやぶさ21号・こまち21号』の編成が仙台~古川間にある新幹線総合車両センターへ引き上げ、東北新幹線はその後の19時40分に上下線で運行を再開している。

今回の事故について、JR東日本では、『こまち21号』部分の12号車パンタグラフ下にある「碍子」(がいし)と呼ばれる、絶縁に使用される部品で何かがぶつかった痕跡と、地絡(いわゆるショート)した痕跡が発見されたということから「地絡による停電の影響を受け、車両の電気系統の機器に不具合が生じたことが原因」と推定している。

「地洛」とは、架線に鳥や野性動物などが接触して絶縁不良が起こり、電流が地面に流れてしまう現象のことで、停電が発生した箇所付近で鳥の死骸が発見されていることも明らかにされているが「停電との因果関係は不明」として、引き続き調査するという。

この事故により、およそ15万人の乗客に影響が出ており、JR東日本では「ご利用のお客さまに多大なご迷惑をお掛けいたしましたことを深くお詫び申し上げます」と述べている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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