【アストンマーティン DB11 AMR 海外試乗】“スーパースポーツ”か、否か…山崎元裕

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アストンマーティン DB11 AMR
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アストンマーティンの『DB11』シリーズに、「AMR」の称号を掲げるモデルが誕生した。AMRが意味するものは、もちろんアストンマーティン・レーシング。レース活動から得られたインスピレーションやエンジニアリングを強く反映させた、より運動性能にフォーカスしたモデルをプロデュースすることが、このサブ・ブランド、AMRの目指すところだ。

ちなみにAMRの登場で、これまでのV12モデルはラインナップから消滅し、今後はクーペがV12のAMRとV8、そしてオープン仕様のヴォランテが、V8エンジンのみとの組み合わせで市場へと投じられることになる。

ドイツのニュルブルクリンクに隣接する、新設されたばかりのAMRパフォーマンス・センターで対面した『DB11 AMR』は、たしかにこれまでのV12クーペ以上に刺激的なアピアランスに満ち溢れたモデルだった。

◆GTからスーパースポーツのテイストを感じるモデルへ

カーボン素材のパターンがそのまま露出したルーフやモノトーンのフロントグリル、ダークヘッドライト・サラウンド、スモークタイプのテールランプなどはAMR独自のディテール。前後の鍛造アロイホイールもニューデザインで、フットワークの強靭さを印象づける。

フロントに搭載される5.2リットルのV型12気筒ツインターボエンジンの最高出力は639ps。これは従来のものと比較して31ps増となる数字。前後重量配分を最適化するためにリアに搭載される8速ATも、そのシフトプログラムなどが見直されている。前後のサスペンションは、ダンパーやフロントのアンチロールバーなどのセッティングを変更。これらの新たにAMRを名乗るための進化策が、走りにどれほどの変化をもたらしたのかを確認するのが、今回のテストドライブの目的となる。

ステアリングホイール上のスイッチで、パワートレーンとシャシーの各々で「GT」、「スポーツ」、「スポーツプラス」のモードを選択できるのは、これまでのV12モデルと同様。まず好印象を抱いたのはGTモードでのスムーズで快適な走りで、それはDB11がスーパースポーツではなく、あくまでもGTとして生を受けたモデルであることを証明している。サスペンションは常にしなやかな動きに終始し、抜群の安定感とともに、まさに高級サルーン並みともいえる乗り心地を演出してくれる。これならばロングツーリングでも、ドライバーとパッセンジャーの疲労は最小限に抑えられるだろう。

スポーツ、そしてスポーツプラスへとモードを変更していくと、DB11 AMRはGTからスーパースポーツのテイストを感じるモデルへと変身していく。それに伴ってボリュームを高めていくエグゾーストサウンドは、最後までそれを好きになることはできなかったが、639psのパワーがフルに炸裂した瞬間の強烈な加速、そしてさらにシャープな印象を強めたコーナリングでの動きには、サーキット由来のAMRらしさというものが十分に表現されていた。

◆V12モデルの正常進化型

常に正確無比な印象を崩さないステアリング、そして後輪から感じる確かなトラクション性能。DB11 AMRは、V12モデルの正常進化型として高く評価できる、実に魅力的なニューモデルだった。

唯一気になるのは、すでにスタンダードなV12クーペを購入したカスタマーのケアなのかもしれないが、アストンマーティンのアンディ・パーマーCEOは、すでに4200台ほどがセールスされたこれまでのV12クーペは、「未来のコレクターズアイテムになる」とコメントしている。

0-100km/h加速で3.7秒、最高速では335km/hを誇るDB11 AMR。デリバリーは、今年の第2四半期から開始される予定だ。

山崎元裕|モーター・ジャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
1963年新潟市生まれ、青山学院大学理工学部機械工学科卒業。少年期にスーパーカーブームの洗礼を受け、大学で機械工学を学ぶことを決意。自動車雑誌編集部を経て、モーター・ジャーナリストとして独立する。現在でも、最も熱くなれるのは、スーパーカー&プレミアムカーの世界。それらのニューモデルが誕生するモーターショーという場所は、必ず自分自身で取材したいという徹底したポリシーを持つ。
《山崎 元裕》

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