日野自動車の下義生社長と独VWトラック&バスのアンドレアス・レンシュラーCEOは4月12日、都内のホテルで記者会見し、先進技術分野の共同開発や商品の補完、調達など幅広い提携に向けた合意書に調印したと発表した。
会見で下氏は「相互にシナジー効果を発揮しうる、継続性のある戦略的協力関係の構築を図る」と表明した。また、レンシュラー氏は協業の検討領域について「物流・交通ソリューション」、「既存および将来技術」、「調達、販売・サービス」-を掲げたうえで、技術面では「既存の内燃パワートレイン、ハイブリッドおよび電動パワートレインのほか、コネクティビティや自動運転などの成長領域でも協力する」と指摘した。
今後、両トップも加わる「アライアンス委員会」を立ち上げ、フィージビリティ・スタディ(企業化調査)を通じて具体的な協業テーマを決めていく。両社が接触を行ったのは下氏が日野の社長に就いた昨年6月以降という。下氏は「お客様に最高の価値を提供することがわれわれの共通の目標であり、協業のモチベーションになった」と語った。
さらに「自動運転や電動化による環境技術などは、社会にも貢献できるトラック・バスで、まず進めるべきとも考える。商用車ではもっともっと協力できることがある」とも指摘した。
一方、レンシュラー氏は「われわれはトラック、バスの業界でチャンピオンを目指す。規模ではなくお客様への価値でのチャンピオンである」と強調した。
両社はそれぞれトヨタ自動車、VW(フォルクスワーゲン)の傘下にあるが、親会社との関係は共に「不変」と述べた。下氏は「トヨタグループの一員であることは先進技術や人材育成の面で当社の強み」とし、今回の提携についてトヨタからは「是非進めてと言われた」と語った。自動運転技術やバスで提携しているいすゞ自動車との協力関係も、「何ら変わらない」と言及した。
VWの新型コンパクト・クロスオーバーSUV『T-Roc』に設定されるカブリオレが、2020年4月にも…