「一歩先の遠くまで行けなければ」三菱 エクリプスクロス 開発への想い…オートモーティブワールド2018

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エクリプスクロスの開発責任者を務める三菱自動車の山内裕司プログラム・ダイレクター
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  • 三菱エクリプスクロス
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◆エクリプスクロスに課せられた使命

三菱自動車の新型SUV『エクリプスクロス』の販売が、欧州を皮切りにスタートした。エクリプスクロスは三菱自動車にとって久しぶりの新型車というだけではなく、欧米や日本を始め80か国に投入される世界戦略車としての重要な役割も担っている。

三菱自動車は2017年度から始まった中期経営計画で、最終年度の19年度に16年度比40%増の130万台のグローバル販売目標を掲げており、このうちの70%をエクリプスクロスを始めとする『アウトランダー』、『RVR』などSUV系の5モデルで達成することを公約している。

これは三菱の2016年度のグローバル販売実績だった92万6000台とほぼ同水準の台数をエクリプスクロスなど5モデルのみで販売する計算になる。この5モデルのうち全くの新規車種はエクリプスクロスだけで、それゆえ中計における課せられた使命は極めて大きなものといえる。

エクリプスクロスの開発責任者を務める山内裕司プログラム・ダイレクター(PD)も「プレッシャーはずいぶん強い」と認めつつも、「その分やりがいがあるプロジェクト。中計において成長戦略を描く上で重要な役割を担っていることは自覚している」と意欲をみせる。

◆一歩先まで安心して行ける、三菱のSUV

エクリプスクロスは、三菱の新たな方向性を斬新なクーペタイプのデザインで表現した新世代SUVの第1弾。開発においてはスタイリッシュなデザインを最優先としながら、三菱車ならではの4WD性能や実用性にもこだわった。

ボディサイズだけを見れば三菱のラインアップの中でアウトランダーとRVRの間に位置するように見えるが、山内PDは「そういう意識はない」と言い切る。というのも「エクリプスクロスの投入によって既存車種のアウトランダーやRVRの販売台数が減ってしまっては意味がない」し、クーペタイプのSUVという新機軸によって新たな世界観、顧客を生み出そうとしているからだ。

エクリプスクロスの具体的なターゲットユーザーとして三菱では、好奇心旺盛で自分なりのスタイルを常に探究する『個性派重視層』に設定している。既存のSUVはファミリー層が主要なユーザーとなっているが、エクリプスクロスではその対極に目線を置く。

このためエクリプスクロスの開発にあたって「デザインを最優先した」と山内PDは語る。その一方で「やはり三菱が出すSUVは、いくらスタイリッシュで格好良いといっても、SUVとして持っている本質もやはり譲れない」と強調した。

「三菱自動車のこだわり、我々が持っているヘリテージは何だろうかということを、このクルマの開発に携わった時に議論したところ、競合車と比べてみて一歩先の遠くまで、違ったところまで安心して行けるというクルマでなければならない、という結論に至った」と山内PDは振り返る。

SUVとしての本質を貫くために「まずグランドクリアランス。最低地上高からアプローチアングル、デパーチャーアングルといった車体としての諸元。そして四輪の統合制御、これは基本条件だった。この方向性は企画の段階で決めた」という。

さらに「スタイリッシュといっても、SUVとしてのベネフィット、お客様が感じる視認性の良さも大事。クーペスタイルにするとどうしても後ろが見えにくいと言われてしまうが、それでは三菱のSUVとしては世に出せない。リアをダブルガラスにしたり、ワイパーの位置も普通なら下付けだが、上に付けた。後席のヘッドレストも視界の邪魔にならないよう使わない時はシートバックの高さに納まるようにした」

このほかにもエクリプスクロスのリア周りには工夫が施されている。そのひとつが200mmスライドするリアシートだ。「リアを絞り込んでいくと荷物が積めないとか、後席が狭くなるのではという不安をお客様も抱くと思うが、こうした不安を解決できるようにスライド機構をいれた」と山内PDは解説する。

◆エンジニアにとっての喜びを伝えたい

山内PDは2018年1月17日から東京ビッグサイトで開催される「オートモーティブワールド2018」で『技術者応援企画 開発秘話セミナー』の講師として18日に登壇する。

山内PDは「エクリプスクロスはSUVでありながらデザインを最優先して開発してきたので、その分、エンジニアはずいぶん苦労した。そうした中でこの商品ができ上がったことはエンジニアにとってやはり喜びでもあるので、その達成感や喜びを伝えることができればと考えている。今、日本のモノ造りはいろいろと言われているので、少しでも勇気づけられたらなと思っている」と抱負を語る。

「エンジニアたちの夢がなくなったとは思わない。しかし世界的にみると技術が多様化し、複雑になってきている。とくに最近のエンジニアの世界では中国や韓国、インドなど、私がまだ若かった頃はあまり台頭していなかった国の人たちの研究レベルがずいぶん高くなっているので、(日本のエンジニアは)不安の中にいるのではないか。そういうことも踏まえながら、少しでも『もっと頑張ろう』と思ってもらえるようなメッセージを送りたい」(山内PD)
エクリプスクロスの開発責任者を務める三菱自動車の山内裕司プログラム・ダイレクター
■第10回オートモーティブワールド
自動運転、クルマの電子化・電動化、コネクティッド・カー、軽量化など、自動車業界における重要なテーマの最新技術が1100社出展する世界最大の自動車技術展。毎年規模を拡大して開催しており、前回は世界中から3万4542名の業界関係者が来場した。「カーエレクトロニクス技術展」「EV・HEV駆動システム技術展」「クルマの軽量化技術展」「コネクティッド・カーEXPO」「自動車部品・加工EXPO」の5テーマに、新たに「自動運転EXPO」を加えた6つの展示会を開催する。また業界の第一人者たちが講演するオートモーティブワールドセミナーも注目を集めている。

会期:2018年1月17日(水)~19日(金)10:00~18:00 (最終日のみ17:00まで)
会場:東京ビッグサイト
主催:リード エグジビション ジャパン株式会社
■第10回オートモーティブワールド 詳細はコチラ!

《小松哲也》

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