京浜急行電鉄(京急電鉄)は11月29日、まもなくデビューする新1000形電車の増備車(17次車)について、車体の外板を赤と白の2色で全面的に塗装すると発表した。「全面塗装」の車両が京急電鉄に導入されるのは11年3カ月ぶり。2018年1月から順次営業運転に入る。
新1000形は2002年にデビューした京急電鉄の電車。当初はアルミ製の車体を採用し、従来車と同様に赤白2色で塗装された。2007年にデビューした6次車以降は、京急電鉄初のステンレス車体に。側面の窓下に赤白2色のフィルムを貼り付けたが、それ以外の部分は無塗装(シルバー)になった。
しかし、2016年にデビューした中央貫通扉付きの車両(1800番台)と16次車は、幅の広い赤白2色のフィルムでほぼ全体を装飾。これによりシルバーの部分が大幅に減り、新1000形のアルミ車に近い外観に変わった。当時の京急電鉄広報部は「お客様にとって京急といえば『伝統の赤と白』のイメージが強い」として、従来の塗装の「復活」に踏み切ったと話していた。
ステンレスは腐食に強いことから、ステンレス製の車体を採用した鉄道車両では塗装を省略し、コストを抑えるのが一般的だ。京急電鉄は「“京急らしさ”を取り戻すために、あえて全面塗装を復活させます」としている。ステンレス車の全面塗装は、関東大手私鉄では初の試みという。
このほか、2画面一体型の情報案内装置をドアの上に設置。路線の案内は2画面で表示することにより詳細な路線図を見られるようにする。袖仕切りの大型化やコンセントの設置などは16次車と同じだ。
17次車は6両編成2本と8両編成3本の計36両が導入される予定。このうち8両編成の車両番号は、京急電鉄の創立120周年にあわせて1200番台とする。まず6両編成が2018年1月にデビューし、翌2月には8両編成もデビューする予定だ。京急電鉄は2018年度に導入される18次車以降も17次車と同じ仕様にするとしている。