ショックアブソーバや電動パワステなど車両機器を広く手がけるKYBのブースは、「若手社員が伝えたい想いを具現化する」を全面に打ち出したフロア展開。同社オートモーティブコンポーネンツ事業本部技術統轄部 井関俊道部長に、今回のキーメッセージや演出の意図を聞いた。
“暮らしのなかにあるKYB”をアピール
今回、KYBの東京モーターショー2017出展におけるコンセプトは、「Feel the Passion, Feel the Future, Feel with KYB」。このキーメッセージにあるように、「クルマに対する情熱をユーザーに伝えたいというのがまずある」と井関氏は語る。
「若手社員の思いや言葉を集めて、“Feel the Passion, Feel the Future, Feel with KYB”というキーメッセージを掲げた。KYBは『自動車のショックアブソーバをつくってる会社』というイメージだが、実は、暮らしのなかのいろいろな場面にKYBの製品が入り込んでいる」(井関氏)。
自動車、鉄道、航空、免震、建設機械、産業機械といった広い分野を手がける同社のブースは、自社の自動車・二輪車用機器の展示を中心にしながら、ステージショー的な演出ができるホログラムや、キッズエリアなどを配置。こうした展開は、「若手のジレンマを反映させたもの」と井関氏はいう。
「自分たちがつくっている商品が、クルマや航空機、鉄道の“影で支える部品”ということで、オモテに出ないものばかり。そこでこのホログラムで、みなさんに伝える空間をつくった」(井関氏)。
ルマン参戦車のパワステを五感で体感
そんな思いが込められたKYBブース。イチオシは? という問いに、井関統轄部長は「電動パワーステアリング体験ドライブシミュレータ」をあげた。
KYBの電動パワーステアリング体験ドライブシミュレータは、ルマン24時間耐久レース参戦マシンなどに採用されている同社の機材が五感で体感できるアトラクション。構成はカーレースゲームと同じだが、ハンドルと画面の間に、同社製のパワステ機構が実際に組み込まれているところが斬新だ。
映像にあわせてハンドルを左右に切ったり、アクセル・ブレーキを入力すると、目の前にあるパワステ機構のコイルスプリングが連動するのが見え、ハンドルのパワーアシストも体感できる。
「ハンドルを切るたびに、パワステの機構が動いているのがリアルタイムでわかる。ハンドルの操舵トルクがリアルタイムに切り替わるから、その“重さ”の変化も体感できる」(担当者)。
また、同担当者は、「操舵感はまさにルマン参戦車両などと同じ。競技用車両の軽くて高出力なパワーステアリングの挙動をこのアトラクションで体感できる。ルマン参戦車両のハンドル挙動や、そのパワステ機構を視覚化したビジュアルを、このマシンでぜひ確かめてみてほしい」とも話していた。
ブースには他にも、CVT用ベーンポンプの仕組みをわかりやすく説明した展示や、KYBのショックアブソーバを搭載したチェアスキーなどが展示されている。