軸受、自動車部品、精機製品などの製造販売する日本精工(NSK)は、フレックス コーナー モジュール コンセプトや、ホイールハブモーターフィットを世界初出展。生き物のように自在に動く画期的メカニズム「バリオリンク・サスペンション」が注目を集めた。
取材に応じてくれた同社CSR本部の田上武俊副主務は、「ことしの目玉はなんといってもこのバリオリンク・サスペンション」と案内。
バリオリンク サスペンションは、NSKが持つボールねじ技術とモータを組み合わせた5本のアクチュエータで、「まるで生き物のような自在な動きを実現する」というサスペンション構成。
「たとえば、高速道路のカーブを曲がるシーンでは、車輪のキャンバー角を『ハ』の字に変化させて、高い速度を維持したまま安定性を確保。そしてアクチュエータを伸縮させて、ホイールベースも変化させられる。前後の車輪の間隔が短くなれば自動車の小回りが効き、縦列駐車などがかんたんになる」(解説員)
このバリオリンク・サスペンションを4輪すべてに搭載することで、走行中の振動が減少し、これまでにない多彩な動きが実現するという。
同社ブースでは、その実機デモンストレーションが行われ、深海にすむ巨大ガニのような動きを観察できる。その精巧で巧妙な動きは、見ていて時間を忘れるほど。
また、もうひとつの世界初出展が、ホイールハブモーターフィット。同社が研究開発を進めてきた次世代ドライブシステムのひとつで、小型化したモーターを車輪に組み込むことで、効率や安全性、操舵性などを向上したモデル。
独自の2モータシステムで構成され、第2世代はレイアウトの見直しにより3割以上の薄型化に成功。さらにカンタンに車両に搭載できるようになったという。
「未来の技術を開発する研究所」をイメージした同社ブースは、東3ホール。