【MX-5カップ 世界大会】舞台は米・マツダ・レースウェイ・ラグナセカ、世界一決定戦に密着![前編]

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左から、日本のシリーズチャンピオン山野哲也選手と、メディア枠の最上位をゲットした大井貴之選手(ベストカー)
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  • グローバル MX-5カップ 世界一決定戦
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マツダのモータースポーツ活動について、いったいどれほどのクルマ好きが知っているのだろうか? その昔、ロータリーエンジン搭載の『サバンナRX-3』が『スカイラインGT-R』の50連勝にストップをかけた。

現在ではまるで神話のように伝えられているが、トヨタも日産も成し遂げていない、日本車で唯一ルマン24時間レース総合優勝という偉業をやってのけた自動車メーカーなのだ。

しかし、それも1991年のこと。ずいぶん昔のことになってしまった。でも今のマツダは“ZOOM ZOOM”や”Be a Driver”というスポーティーイメージを前面に出している。そこには、何らかの形のモータースポーツ活動が必須になってくるはず。というわけで、国内では『ロードスター』によるパーティーレースなどのアマチュアドライバー向けレースイベントを長く開催しているのだ。

筆者自身も、年に一度筑波サーキットで開催される、「メディア対抗4時間耐久レース」でロードスターのステアリングを握っているクチなのである。いわゆるSUPER GT等のプロっぽいレースはやらないが、ユーザー参加型の草レースは積極的に応援する。これが筆者自身が最近のマツダに対して抱いていたモータースポーツ観だった。

◆日本でも新たにスタートした「グローバルMX-5カップ」

しかし、今年から「グローバルMX-5カップ」というレースシリーズが日本国内で始まった。北米仕様のロードスターをベースにレース仕様に仕立てたマシンなのだが、北米仕様ゆえに2.0リットルのエンジンを搭載。タイヤもBFGoodrich製のレーシングスリックを履く。実はこのレースシリーズ、2006年にNC型ロードスターをベースにして、アメリカでは既に始まっていたのだ。現行モデルのND型ロードスターに切り替わったのは昨年の2016年。初戦から40台ものエントリーが集まったというのだから、その賑わいようが分かるというもの。

さて、今回渡米した目的は、日本でのグローバルカップ優勝者が、年の最後を飾るレースとなるMX-5カップ世界一決定戦に挑戦するの図を取材することが目的。なんと、日本で今年から始まったグローバルMX-5カップジャパンのシリーズチャンピオンは、あのコークスクリューで有名なラグナセカ・サーキット(カリフォルニア州)で開催される世界一決定戦に招待されるのだ。

さらに、今年はメディア枠というのがあり、筆者も第3戦(ツインリンクもてぎ)に出場したのだが、いちばん成績上位の者がやはり招待されるのだ。シリーズチャンピオンは山野哲也選手、メディア枠の最上位は開幕戦の菅生で2位をゲットした大井貴之選手(ベストカー)の2名が出場する。

◆モータースポーツをサポートするマツダ

ちなみに、ラグナセカ・サーキットは2001年にマツダ・レースウェイ・ラグナセカと改名。そう、マツダは地道に北米でのモータースポーツ活動を支援してきているのだ。北米でのグローバルカップ優勝者には、実は20万ドル(約2200万円)の賞金が授与され、今回の世界一決定戦だけでも勝てば7万5000ドルもの賞金を獲得できる。アマチュアドライバーも参加できるワンメークのレースに、このように高額な賞金が用意されているなんて聞いたことがない。これにはグローバルMX-5カップを世界のワンメークレースの頂点に成長させることが狙いなのだ。

この他にもマツダは、「ロード to INDY」と称したスカラシップ制度を設けている。これは、USF2000、スターマツダ、インディライツといったフォーミュラーカテゴリーでのステップアップを支援するもので、インディライツのチャンピオンには100万ドルの賞金と、それを使って翌年のINDY500を含む3戦分のインディーカーシリーズへの挑戦権が確保されているのだ。実際、佐藤琢磨選手が日本人初優勝を飾った今年のINDY500には、出場した33名のドライバーのうち、実に25名が何らかの形でマツダのステップアップカテゴリーへの出場経験者だったのだ。他にも、デイトナ24時間などプロトタイプレーシングへのステップアップルートもサポートしている。つまり、マツダは人を育てることでモータースポーツに貢献しているのだ。

◆期待の選手が参戦、レースはどうなる?

ところで、日本から参戦する2名のドライバーのうち山野哲也選手はジムカーナチャンピオンとして有名だが、SUPER GTなどでも活躍したプロドライバー。大井貴之選手もスーパー耐久に出場し、メディア対抗4時間レースでは常に上位を走る実力派。彼らがどのような戦いを見せるかも興味深いところだ。

彼らが使用するマシンは、日本から運んできた自分用のマシンではなく、現地で参戦しているチームのクルマをレンタルして出場する。このあたり、自分たちのマシンで戦える北米勢に比べたら若干のハンディがあるといえるだろう。実際に日本から参戦の2名のドライバーは、マシンのセットアップに苦労していた。ハンドリングを良い方向性に導くべく、サスペンションのセットアップと、ほとんど初めてのコースにも慣れなくてはいけない。仕事量が他のドライバーに比べて多いのだ。とはいえ、彼らには是非活躍してもらいたい。

ところで、今回参戦する米国人ドライバーの中に、今年のインディライツ・チャンピオン(カイル・カイザー選手)が居る。彼は100万ドルの賞金と、来年のインディーカーのシートが約束されているのだが、地元出身ということもあり出場することになったのだという。それにしても、高額な賞金が出場へのモチベーションを支えていることも事実だろう。レースのスタートは近づいてきた。どんなレースになるのか、楽しみだ。
《松田秀士》

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